沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
水には軟水と硬水がある。水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1リットル中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」と いう。一般的な基準では、硬度0〜100mg/lを軟水、101〜300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水 という(HP「水の基礎知識」より)。簡単にいうと、カルシウム とマグネシウムを多く含む水が硬水である。一般的には軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じると言われている。
沖縄本島では、ほとんどの市町村が独自の水源を持っていない。北部や中部の河川やダムから県の企業局が取水し、各市町村に供給している。南北に細長い地形のため、水源と消費地が離れている。このため長い水道管を通って、また、施設を経由して消費地に届いている。沖縄の水は「まずい」と言う人が多い。それは、地質が石灰質なので、水道水にカルシウムやマグネシウムが多量に含まれており、本来は飲みごたえを感じやすい水のはずなのだが、ミネラル分の偏りによって、飲みにくくなることもあるようだ。
本土の水道水は、大半が軟水である。このため、日ごろから軟水になじんでいる本土の人が、沖縄の水道水を飲むとお腹が緩んだりする。ある人が、お風呂に入浴剤を入れたら、緑色のお湯になるはずが、透明になってしまったと言っている。つまり色素が漂白される成分を含んでいるのである。また、お風呂で髪を洗ったら髪の毛がバサバサになった。犯人は、水道水に含まれる塩素かなァ?
我が家も最初は、飲料用に19リットルの水ボトルをサーバー付きでレンタルした。しかし、この水は、ろ過されていても、元が沖縄の水だったため、家内のお腹が緩くなった。その後、軟水を求めて、いろいろな種類の水を買った。沖縄産のミネラルウォーターもたくさん買ったが、現在、我が家で飲んでいるのは、
・アサヒ六甲の水--- 硬度 32mg/l
・キリン富士のおいしい水--- 〃 59mg/l
を交互に購入している。価格は、平成29年1月現在、アサヒは1本(2リットル)税抜き78円(スーパーサンエー)。キリンは同69円(スーパーかねひで)で購入している。そのほかにも、ときどき購入する本土の水は、
・サントリー阿蘇の天然水---90mg/l
・アサヒ 富士山のバナジウム天然水---29mg/l
・コカコーラ森の水だより---42.2mg/l
・霧島の天然水---57mg/l がある。
なお、水道水を直接飲む人が多い県は山形県で、78.4%。一番少ないのは沖縄県で、34.0%。全国平均は54.4%だった(HP「IROIRO」より)。つまり、沖縄県の人で水道水を直接飲む人は、3人に1人。こちらの皆さんも、飲み水には気をつけていることが分かる。
《ご参考》沖縄県の水道水の硬度ランキング
1位 伊豆味第一浄水場(本部町)---214mg/l
2位 並里浄水場(本部町)---179mg/l
3位 金武浄水場(金武町)---178mg/l
4位 摩文仁浄水場(南部水道企業団)---176mg/l
5位 北谷浄水場(北谷町)---155mg/l
上記のとおり、硬度が101〜300mg/lが中硬水と言われているので、沖縄の水は硬水とまでは言えないが、すべての市町村の水道水が軟水ではないようだ(なお、このランキングは、H14の資料なので少し古い)。
《追記》新しい情報…沖縄県庁の広報誌に、各浄水場の硬度の一覧が掲載されたのでご紹介する。琉球新報のレキオ「島ネタchosa隊」の平成25年の調査に比べると、名護浄水場の硬度は48→43mg/lに。北谷浄水場が104→92mg/lに改善されている。各浄水場ごとの硬度は、
名護浄水場---本部町、今帰仁町、名護市。恩納村、伊江村は、硬度が43mg/l。
石川浄水場---金武町、恩納村、読谷村、嘉手納町、うるま市、沖縄市、北中城村、中城村、西原町、那覇市、豊見城市、糸満市、南風原町、八重瀬町は、硬度が34mg/l。
北谷浄水場---北谷町、沖縄市、北中城村、中城村、宜野湾市、浦添市、那覇市は、硬度が92mg/l。
海水淡水化センター---海水から淡水(真水)をつくり、北谷浄水場へ送られ、浄水場の水とブレンドされる。
西原浄水場---那覇市、浦添市、与那原町、西原町、南城市、豊見城市、南風原町、糸満市、八重瀬町は、硬度が33mg/l。
このほか、久志浄水場の水は、大半を石川・北谷・西原の各浄水場に上水道の原水として送水され、一部は工業用水として供給されている。 なお、上記、浄水場名は、沖縄県企業局のサイトとリンクしたので、詳しく知りたい方は「浄水場名」をクリックで。
北谷浄水場の硬度が高いのは、水源となる川や井戸が石灰岩質の影響を受けているからだとか。そのため、オゾン処理施設や粒状活性炭吸着池など硬度低減化施設の導入により平準化を進めているという。また、那覇市、浦添市などは、複数の浄水場から導水しているので、市の水道局に住んでいる住所、または、住もうと思っている住所を言って、どの浄水場から取水しているか、ご確認を。
《追記》
週刊ダイヤモンド社が、平成29年7月29日号に「全国水道危険度ランキング」という特集を掲載した。事業の危険度なので水質とは関係ないが、水道料金の大幅値上げが必至という市町村のランキングなのでご紹介しよう。この調査では、水道料金の水準、水道事業の採算を表す二つの指標(経常収支比率、料金回収率)、市町村の財政の豊かさを表す財政力指数を基に、市町村ごとの水道事業のリスクを算出したもの。
そのワースト500に沖縄県の7市町村がリストアップされた。
ワースト48位 伊江村
〃 219位 宜野座村
〃 318位 南城市
〃 354位 嘉手納町
〃 387位 うるま市
〃 425位 与那原町
〃 467位 金武町
なお、500位代には、西原町(568)、中城村(561)、本部町(583)、豊見城市(590)が入っていた。詳細については当該誌をお読みいただきたい。
◎このサイトの水に関係するページは
・沖縄の水が危ない!
・水道水が全国一マズイ沖縄県
=NEW= 北谷浄水場の水から高濃度有害物質
《追記》北谷浄水場が給水元となる那覇市新都心公園の水道水の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス:注1)とPFOA(ピーホア:注2)の合計値が1リットル当たり26・86ナノグラムとなり、名護浄水場が給水する名護市久志の同0・25ナノグラムの約100倍だったことが分かった。
沖縄タイムスの記事によると、環境調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト」の河村雅美代表は、PFOS・PFOAが含まれた消火剤が1970年代から県内の米軍基地で使われていたことを挙げ、県内の汚染は基地由来である可能性を指摘し、「有害物質の汚染は、発生から市民が問題を認識するまでに時間がかかる場合がある。県は、まだ明らかになっていない有害物質の実態も考慮し、危機感を持つべきだ」と話したという。なお、北谷浄水場の水道水は、宜野湾市、北谷町の全域、沖縄市、北中城村、中城村、浦添市、那覇市の一部に給水している。
県企業局は、現在の北谷浄水場の浄水のPFOS・PFOA値は米国環境保護庁(EPA)の健康勧告値70ナノグラムを下回っており、水道水を飲んでも健康への懸念はないとしているが、一方、企業局の調査では15年5月に82ナノグラム、同6月には120ナノグラムと、米EPAの健康基準値を超える濃度のPFOS・PFOAが検出されたこともあったという。これらの有害物質は自然環境でほとんど分解されず、地下水などに蓄積している可能性があるが、米軍は県が求める基地内の立ち入り調査を拒んでいる。 前出の河村氏は「環境汚染問題は問題の発生から汚染者の認識、市民の認識までに長い時間的な隔たりがある。県はまだ認識されていない有害物質の実態も考慮に入れる必要がある。土壌汚染や地下水汚染の抜本的な調査と対策が必要だ」と指摘している。
(注1・2)PFOS・PFOAとは、泡消火剤や油圧作動油などに利用されていた残留性の有機フッ素化合物。2000年ごろから体内がんや胎児・乳児の発育障害の原因となる恐れが指摘され、国内で製造・使用が禁止された。一方、水道水などの汚染の規制値は国内にはない。県内では企業局が16年1月、米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や浄水場から高濃度で検出されたと発表した。同年2月には普天間飛行場周辺の湧き水からも検出されている。
《ご参考》
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