沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
こちらに来て間もない頃、スーパーで温かい豆腐が売られているのに驚いて、「食べるモノ」 というページを作成した。こちらで生活している内に、沖縄の豆腐については、いろいろなことが分かったので、その都度、書き加えたが、数ページに分散していたので、このページにまとめた。なお、『ついに塩分の少ない豆腐を発見』は、このページの下の NEW《追記》へ。
スーパーに行くたびに我家は豆腐を買う。沖縄に来て初めて行ったスーパーに温かい豆腐が売られていた。ビニール袋入りで、袋の口は開いていた。ただ、賞味期限は、その日、当日だった。メーカーは、冷たい普通の豆腐と同じだったが、温かい豆腐を見るのは私も家内も初めてだったので、「これは何だ!」と言うことになり、地元の人に聞いてみることにした。二人で豆腐の前にいるのも変なので、私はその売り場を離れた。家内は、その豆腐を買う人が来るまで待って聞いてみると、作りたての豆腐が1日2〜3回、店に届くのだそうだ(下の写真:左は、違う店で撮影、最初に行った店には、こういう表示はなかった)。賞味期限については、その人から「大丈夫ですよ。期限は当日になっているけれど、日持ちしますから」と聞いたので、温かい豆腐と温かい厚揚げを買った。 豆腐の大きさは、パック詰めの倍くらいある(パック豆腐は1丁300gくらいだが、ビニール袋入りは500gもある)が、何と一丁420円だった。
なお、沖縄産の豆腐もいろいろ買ったが、どれも塩辛かった。どのメーカーの豆腐も成分表を見たら、ニガリとともに塩分とか海水を使っているという表示があった。塩の摂りすぎは体に悪いので、スーパーに行くたびに塩分表示のない豆腐を捜し求めた。
作りたての豆腐が店に届く時間帯が表示してある。 人気メーカーは、すぐ売り切れてしまうので、買えないときもある。 |
1個500gのあちこ〜こ〜。「あじまぁ沖縄」さんのご提供 |
その後、琉球テレビの「沖縄BON」という番組を見て分かったことがあった。要約すると 沖縄の豆腐は、本土のものと作り方が異なる。本土では、水につけた大豆をすりつぶした後、加熱してから絞るが、沖縄ではすりつぶした大豆を生のまま絞って から加熱する。もう一つの違いは、本土ではできあがった豆腐を水にさらして冷ましてからでないと販売することができない(食品衛生法)が、沖縄の豆腐は加熱後「にがり」を入れて固め、型枠にいれて圧力をかけて水分を押し出す。そうすると固めの「島豆腐」になる。これを「あちこ〜こ〜」といって熱い状態のまま出荷して販売する。沖縄の人は豆腐が「熱い」=「作りたて」ということが常識となっているそうだ。さらに、沖縄での豆腐の製法は、ニガリのほかに塩分や海水を入れるので塩辛くなるということも分かった。このため島豆腐は、どれでも塩分が強いことが分かったので、我家では、京豆腐や本土メーカーの豆腐、イオンにときどき入荷する男前豆腐を買っている。
このほか、沖縄の珍しい豆腐をご紹介する。大豆ではなく落花生(ピーナッツ)と芋でんぷんを使った「ジーマミー豆腐」、豆腐を米麹、紅麹、泡盛によって発酵・熟成させた「豆腐よう」は、中国から伝えられたもので、上流階級の高貴な味覚として珍重されている。チーズみたいなのでお酒にもよく合う。また、豆乳に にがりを加え、固まりはじめた豆腐は「ゆし豆腐」である。本土のざる豆腐に似ている。大豆ではなくモーイという海藻を煮固めたものは「モーイ豆腐」で、見た目は羊羹のように見える。各家庭で作られているそうで、ヤンバルの店で売っているのは見たことがあるが、本島の中南部では、見たことがない。「モーイ豆腐」については、沖縄出身のゴルファー上原彩子さんの ⇒ オフィシャルサイト に詳しい。来沖されたら、ぜひ、ご賞味を。
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《追記》遂に登場、塩分の少ない豆腐…10月2日は、数字の語呂合わせで「豆腐の日」。この日に合わせ、塩分を加えず天然にがりだけで作った豆腐が、「コープおきなわ」から発売された。沖縄の豆腐は塩辛いという本土出身者の声を取り入れたものだとか。しかし、私から言わせてもらえば、どうして、もっと早く気がつかなかったのかなぁ?。家内もコープで、塩辛くない豆腐はありませんかと質問したとき、「本土から入ってくる豆腐を買ってください」と言われたそうなので、島の人たちも沖縄の豆腐が塩辛いことには気がついていたはず。ところが、豆腐に塩や海水を使うのは沖縄の文化だと豆腐製造業者が耳を貸さなかった。今回、耳を貸してくれたのは、那覇市繁多川(注)の永吉大豆加工所で、国産大豆を100%使用した。豆腐の名前は「琉木綿」。この会社の社長も、塩を使わない豆腐を作っていいものか悩んだそうだ。発売の翌日、早速、買いに行った。そして食べてみた。結果は、確かに塩分は少ない。それで塩分が足りないという人は、自分で塩加減を調整すればいいのだが、"冷ややっこ" で食べるには食感が硬すぎる。これは凝固剤の入れすぎだと思う。 本土の木綿豆腐は、こんなにガチガチではない。ゴーヤちゃんぷるに使うのなら、型崩れしにくいので、これでもいいかなぁ。なお、この豆腐は、密封され冷たい状態で売られている。
(注)那覇市繁多川には、なぜか豆腐屋さんが多い。沖縄繁多川島豆腐めん事業協同組合のHPで調べてみたら、この地区には、ウフカー(大川)ボージガー(坊主川)ハンタガー(繁多川)イシジャガー(石田川)チョンチョンガーの五つの泉があり、湧き水が豊富なので豆腐作りに適していたからだとか。へぇ〜、そうなんだ。
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