おばぁ食堂



知花食堂のそば


昔、石垣島の具志堅用高記念館の近くに「あんまー食堂」という名の店があった。「あんまー」とはお母さんという意味なので、本土なら、さしずめ「おふくろの味」というところ。こういう店は「てぃーあんだ=手間ひまかけた」料理が売り物である。それに比べると「おばぁ食堂」は、「てぃーあんだ」な料理はないが、素朴で低価格、味わいのある料理を出す。

石垣島の「知花食堂」をご紹介する。「知花」は「ちばな」と読む。沖縄では ごく普通にあるので、珍しい名前ではない。「おばぁ」が一人でやっている食堂なので、典型的な「あばぁ食堂」である。とてもお元気だが、80歳は超えておられるであろう。建物は下の写真のようにレトロである。壁にはMLBのニューヨーク・メッツなどで監督をしていたボビー・バレンタイン監督が、千葉ロッテの監督をしていた時代のポスターが未だに貼ってある。

メニューは「そば(大)」が何と350円。「そば(小)」は300円。焼きそば500円、みそ汁500円、トーフチャンプルは600円。以上、これだけ。焼きそばには みそ汁が付き、みそ汁には ご飯、トーフチャンプルには ご飯とみそ汁が付いている。みそ汁が500円は高いとお思いだろうが、単品の場合は どんぶりで出てくる。具だくさんである。決して高くはない。開店時間は11時30分だったので、我々が行ったときには店の入り口に鍵がかかっていた。正面ではなく住居の玄関から中に入って15分ほど待った。開店時間になると、地元の方が入ってきたので、ほぼ満席になった。地元のお年寄りは、入ってくるなり「おばあ!、小」と一言(ひとこと)。発したのはこれだけ。常連さんなのだろう。毎週木曜定休日と大書きしてあった。

「そば(大)」を注文したが、上の写真のように、”そば” は大盛。トッピングは、豚肉、かまぼこ、卵焼き、赤ショウガに振りネギ。本島や新石垣空港で食べたら600円~だろう。麺の味は普通。ダシは薄めだが、味はジョートー(注)。八重山そばは、丸麺で赤ショウガは入れないのが普通だが、この店は、平麺でショウガが入っていた。これは、おばぁのこだわりか。

(注)ジョートー…は優れたもの。つまり上等ということ。ジョートーについては、HP「沖縄の心」によると、うちなーぐちの定番中の定番で、沖縄の皆さんは日常会話の中で、かなり頻繁にジョートーを使う。心から「上等」と思って使うこともあれば、軽く「いいんじゃないの~」程度の相づち代わりのときは「ジョートー、ジョートー」と繰り返すこともある。

冒頭の「あんまー食堂」は、何年か前に閉店したらしいので今はない。
なお、沖縄そばについて詳しくお知りになりたい方は、⇒ コチラから

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知花食堂 メニュー
赤瓦ではないが、レトロな外観、知花食堂 メニューはこれだけ


場所は、県道79号線の「米原のヤエヤマヤシ群落の入口」から西へ200メートルほど行ったところの左側。建物は、道路より少し奥まったところなので見逃さないように。「ヤシ記念館 P←300m」の看板を左に曲がる。ナビ検索は、沖縄県石垣市米原561で。



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