「ナーベーラー」って何?


沖縄の方言で「鍋洗い」のことを「ナービアラヤー 」という。ヘチマを鍋洗いに使ったことから転じて、沖縄ではヘチマのことを「ナーベーラー」という。この「ナーベーラー」は、本土では化粧水を取ったり、「たわし」として使われるが、沖縄では、野菜として食べる。ニガウリ(ゴーヤー) と並んで、夏野菜の代表格であり、どこのスーパーにでも売っている。また、簡単に栽培できるので、民家の庭にも、たわわに実っているのをよく見かける(下の写真:左)。島尻郡南風原(はえばる)町のHPによると、同町は食用へちまの生産量日本一だそうだ。県内各地の料理店では、メニューにしているところも多く、名護市には「味処ナーベーラー」という名前の食堂もある。

代表的な料理を「沖縄料理レシピ」から引用すると
1.ヘチマを1cmの輪切りにする。豆腐は大きめに、ランチョンミート《注1》は短冊に切る。
2.油を引いてランチョンミートを炒め、ミートの油が溶けだしたら、島豆腐《注2》を炒める。島豆腐は少しきつね色になるまで中火で炒める。
3.ヘチマを入れて、強火で全体的に火を通す。
4.しんなりして、ヘチマの汁気がでてきたら、だし汁に味噌を溶いて入れる。
5.ヘチマの汁がさらに出てくる。少しドロッとするまで煮込めば完成。

料理名は「ナーベーラーンブシー」(下の写真:右、HP沖縄料理レシピより)。「ンブシー」は味噌煮のことなので、「ヘチマの味噌煮」である。「ナーベーラー」の代わりに「ゴーヤー」を使えば、「ゴーヤーンブシー」である。 ランチョンミートに塩分があるので塩は不要だが、ランチョンミートの代わりに豚肉、鶏肉などにする場合は、塩を好みに応じて入れる。


へちま 料理
庭植えのナーベラー ナーベーラーの味噌煮


前述の「味処ナーベーラー」の店に面白い額が飾ってあった。その文面は、

       ナーベーラーに人生有り 若くして野菜になるのもよし 老いてタワシになるのもよし

メニューは、そばとチャンプルが中心で、ナーベーラーチャンブルーは600円だった。600円で、ご飯とミニそばがついてくる。

《注1》ランチョンミート---加熱処理した肉(主に豚・牛肉)の缶詰。沖縄では欠かせない食材で、単に「ポーク」とか「スパム」と呼ばれることもある。スパムと言っても迷惑メールのことではない。ホーメル社の商品名である。スーパーの売り出しの目玉商品にもなる おなじみの商品。
《注2》島豆腐---本土の豆腐と違って、すりつぶした大豆を生のまま絞ってから加熱する。沖縄ではこの方法で豆腐を作る。詳しく知りたい方は⇒こちらの「温かい豆腐の追記」をご覧下さい。

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