☆場所さがし

移住の第一歩は「場所さがし」から始めた。私が勤めていた会社では、多くの社員が年休(年次有給休暇)を取らない。退職前に残っている2年分を集中して消化するので、私も年休が40日以上あった。このため、退職日の二ヶ月前から休むことができたので、時間は十分あった。

気候が温暖な南方面の候補地としていた種子島、屋久島に出かけた。種子島では西之表市役所に移住受入れの専門部署があり、担当者とコンタクトをとって市が借り上げている一軒家を紹介してもらった。新築から築40年以上の物件まで5〜6軒見せてもらった。新築物件は、数軒の集落で、農地付きという好条件だったが、すでに入居しているか予約が入っており、誰かが出て行くまで入れない。しかし、周囲には人家がなく、街からも離れた淋しい場所だった。ほかの物件は、畳の家ばかりで、物心ついた年頃から洋間中心で暮らしてきた私たちには不向きだった。翌日は、あらかじめ調べておいた物件を見て回った。築年数が浅い一軒家は魅力的だったが、二世代住宅のような広さだったことや売主が地元ではなく、関西の不動産会社だったので、何となく躊躇するものがあってパスした。

屋久島は、島で不動産業を営む会社があり、事前にメール、電話でやり取りをし、島内の物件の案内を依頼していた。種子島から高速船で向かった。約束の時間に港に着いたが迎えがいない。このためレンタカーで、会社を直接訪ねた。事務所には女性が一人、電話の番をしていた。来社の主旨を伝えるが、何も聞いていないという。担当者の名前(その会社では、エライ人のよう)を出すと出張中で留守だった。このため、会社の敷地内にあるログハウスを見せてもらっただけで、その会社を後にした。事前にネットで印刷していた販売物件を自分で見て歩くことにしたが、字(あざ)は分かるが、番地が不明なので、何処にあるのか、まったく分からない。待ち合わせの約束をホゴにされたこともあって、屋久島の印象は、きわめて悪く、移住の候補地からはずしたので、家さがしは止めて島内半周の観光をすることにした。

次は、奄美大島か沖縄かという選択だった。種子島・屋久島は、のんびり生活するにはいいところだが、あまりにもひなびた土地だったので、やはり利便性のよい場所の方がいいだろうと意見が一致し、沖縄にすることに決めた。沖縄には、昭和40年代の終わりごろから何度も観光や私用で行っていた。主に那覇市を中心として北は名護市、南は糸満市あたりまで回ったが、生活するという目で見ていなかったので、4泊して暮らしやすそうな場所や家を見に行くことにした。

☆家さがし

「家さがし」に沖縄に行ったときは、大手の仲介専門会社に家の見学を依頼した。あらかじめネットに紹介されていた物件の中から見たい3件を伝えていたのでスムースに進んだ。といっても、沖縄に行くまでの過程には、さまざまな紆余曲折があったのだが・・・。沖縄の物件は、ネットで各不動産会社の独自の情報から大手の総合サイトまで、種子島、屋久島と違って膨大な?情報を引き出すことができる。私が参考にしたのは、以下のとおり。地元の不動産会社は、複数回、問い合わせをしたところのみを記載した。いずれも順不同。

◎大手総合サイト
  SUUMO(リクルート)   アットホーム   CHINTAI   Yahoo不動産   楽天不動産   ニフティ不動産
◎沖縄の不動産情報サイト
  うちな〜らいふ   かふう   住ISM(すまいずむ)
◎大手仲介会社
  大東建託   東建コーポレーション   アパマンショップ   エイブル
◎地元の不動産会社
  沖創建設   タマキホーム   中部興産   CUBE   南新物産   具志川興産   住友ハウス   琉信ハウジング など


一番多くアクセスしたサイト「うちな〜らいふ」

遠隔地のため、実際に建物や部屋を見ることが難しいので、ネットに頼らざるを得ない。しかし、メールで問い合わせても、大手の仲介会社以外は、なかなか返事が来ない。私が契約した地元の不動産会社も、はじめメールで問い合わせたときは、まったく返事がなかった。なぜ返事をしないのか、知り合いになってから営業マンに訊ねたら、件数が多くてイチイチ返事ができないそうだ。つまり、面倒くさいということ。ネットで問い合わせてくる客は成約率が低い とも言っていた。メールの返事がないので電話をすると「その部屋は成約済みです」と言われることも度々あった。

腹が立ったことがあった。気に入った物件があったので電話すると、女性の営業担当に「予約してください」と言われた。詳細な個人情報まで記入した申込書を送り、物件を見に行くと言ったら「まだ、建築中ですので、内覧会のときに来てください」と、2ヶ月以上先延ばしされ、結局、「この部屋を最初に予約した人がキャンセルしなかったので契約できません。別の部屋ではどうですか?」と言われた。その物件の階数、部屋の間取り、方位が気に入って申し込んだのに、他の部屋でいいはずがない。何度も電話をしたとき、何となく胡散臭さを感じたが、不動産屋はこんなものか思い込んでいて、したたかさを見抜けなかった。はじめに、そのことを言ってくれていたら、別の物件を探したのに、2ヶ月もムダにしてしまった。その後、この会社の物件は、総合サイトの条件検索でヒットしても一切無視した。上記の不動産会社リストにも記載していない。別の不動産会社の営業マンに訊ねたら、キャンセルされてもすぐ入居者を確保するため、そうしている会社もあると話していた。「相手の立場を考えていたら商売にならない」これが、この不動産屋の女性営業担当のホンネだ。

また、こんなこともあった。築年数の浅い瓦葺の鉄筋2階建ての2階の部屋が気に入ったので、連絡を取って日時を約束した。飛行機もホテルもレンタカーも予約した。建物は東を向いており、不動産会社の提供している写真では建物の東側には何も写っていない。しかし、グーグルの航空写真を見ると東側に隣接して建物が写っている。真上からの写真なので、階数までは分からない。電話で問い合わせた。なかなか返事をしないばかりか、かなり離れた建物の名称を口にした。私が「すぐ東に隣接している建物は何か?」と問い詰めたら隣は普通の民家だという。しかし実際は、民家には違いないがアパートが建っており、そのアパートの西側のベランダと私が希望した部屋のベランダ同士が鼻先を突き合わせていた。ネットの画像は、隣にアパートが建つ前の古い写真を使っていたのだ。今、私が住んでいるアパートと近いので散歩でよく前を通るが、あれから8ヶ月たった現在、その部屋は、まだ募集中である。

今、住んでいるアパートは、ネット検索で見つけた。15畳のLDKの南北に窓があり、隣の部屋とは風呂場が接しているだけ。ベランダは南向きで西には窓がなく、間取りも希望に近い。この会社のサイトは、そのページを見た人の人数が表示される。まだ1桁だった。早速、下見に行った。建築中だったので中に入ることができなかったが、2時間くらい周囲を歩き住環境を見て回った。完成は5ヶ月先だった。家賃は近隣の相場より高かったが、このチャンスを逃すまいと、部屋も指定して予約金を置いた。街の中心部だが本通りから一本入っているので騒音も少なそうだと思った。しかし、住んでみると犬の鳴き声がスゴイ。東に1匹、北に4匹〜(一斉に鳴くので、何匹いるのやら)、南に2匹おり、早朝から散歩の犬が通るたびに吠えまくっている。このページを書いている今も、北の犬、数匹が一斉に吠えている。また、60〜80m範囲内に焼肉屋が4軒ある。どちらから風が吹いても夜になると臭いがすごい。年中無休なので、毎日、臭う。下見は昼しかしなかったが、夜も必要だった。

「細かいことは気にしない、決められた時間は守らない、約束事も守らない、仕事も雑で信用できない」。沖縄の不動産屋が、いかに、いいかげんかということを契約後に実感した。契約書の住所で市役所に届けたら番地が違うといわれたり、ネット対応のアパートだといわれてフレッツ光に申し込んだら、マンションなのに戸建て契約だったりと散々だった。「いいかげんな不動産屋」詳しくは、⇒こちらから

《追記》沖縄に来て数ヵ月後、所用があって中部の都市に出かけた。信号待ちで、ふと右を見ると、どこかで見たことのあるような2階建ての建物が目に入った。1階は貸し店舗、2階が住宅。1年くらい前、家を探しているとき、検索で見て問い合わせをした物件だ。3LDKで、どの部屋も広く、2階のワンフロアがワンルーム。通常、貸間と言われる。 メールアドレスが無かったので空室確認の電話をした。「確認して電話します」ということで待っていたが、連絡がない。数日後、こちらから電話したら「大家と連絡がつかないので、もう少し待ってくれ」だった。さらに数日後、しびれを切らして再度、電話したら「大家が人に貸すのはやめた」だった。
人に貸すのはやめたはずの物件だったが、まだ賃貸物件の看板が出ていた。想像するに、本土の人間に貸すのはヤメタと言うことだったのか?。本土の人間を毛嫌いする「うちな〜んちゅ(沖縄県人)」も少なからずいることを知っておこう。

《さらに追記》それから、こちらへ来てから知ったことだが、いい物件があるからと申し込んでも先着順ではない場合がある(先着順が当たり前だと思うが・・・)。一番最初に申し込んでも、すでに申込者が複数いると言う。そして申込書に詳しい個人情報を書けという。入居者は大家が選ぶのだそうだ。基準はわからない。勝手な想像をすると、子供がいる家庭は不可とか(子供は走り回るので、階下から苦情がくるからか?)、高齢者は入居させないとか(葬式を出されるのを嫌うからか?)、本土の人間は不可とか、大家の好みに合わない人間を入居させないなど、いろいろな理由があるだろうが、常識では理解できないことがあることも知っておこう。この情報は、さる不動産会社の社員から入手した。

また、車の駐車場は、あるのが当たり前と思ってはいけない。那覇市の中心部の物件では、なくても駐車場なしとは書いてないこともある。駐車場○○円と書いてないのは賃料に含んでいると、勝手に解釈しないように。駐車場がないのを契約してから知っても手遅れである。月極駐車場は、新都心では10,000円〜も珍しくない。高いのは仕方がないとしても、住居から離れていると、ビールや水を箱では買えない。箱で買うと重くて運べないから。特に、高齢者では・・・。

それと、もうひとつ要確認・重要事項!。風呂場に浴槽があることを必ず確認すること。新しい物件は、あることが多いが、沖縄県人は湯船に入らない人が多いので、浴室と言うのはシャワー室のことをいう。従って、浴槽のない物件が少なからずある。平面図で必ず確認するか、不動産屋に確認したほうがよい。「アレッ〜、風呂がない」のページは⇒こちらから

NEW《危うく契約してしまうところだった!という話を追記》 今、住んでいるところは、間取り、広さ、設備などには問題はないのだが、深夜、早朝の犬の鳴き声には参っている。詳しくは、⇒こちらから。そして、ついに引っ越しを考え、毎日、ネット検索で探したところ、建築中の物件が見つかった。電話を入れ、空室の確認をしたら「2F,3F,5Fに空きがある」と言う。「1Fは?」と聞いたら、「1Fは店舗だ」という返事。「何の店舗か?」と聞くと「○○を売る店が入る」と言う。早速、見学に出かけた。1Fのドアが開いていたので覘いて見ると、がらんどうの広い空間だった。不動産会社の営業マンに、「こんな壁も仕切りもない店舗があるわけないでしょ」と言うと「1Fは大家さんが入るので、詳しく聞いてないが、倉庫になるかもしれない」と言う。倉庫なら内壁や仕切りがなくても不思議はないかと思って、部屋は気に入ったので入居の申込みをした。

それから数日後、Googleのストリートビューを見ていたら、今、アパートの建っている場所の数年前の画像が写っていた。そこには老朽化した平屋の建物が建っており、その会社の名前が読み取れたので、名前を頼りに検索してみた。1件ずつ見ていくと、業界紙のようなサイトにたどりつき、この会社が紹介されていた。そこには今年の☆月の新社屋完成とともに、工場を再移転すると書かれていた。「エッ、工場だって?」。驚いて、翌日、営業マンに確認すると「詳しくは知らないが・・・そうかもしれない」というあいまいな返事。結局、この物件は、大家さんが社長をしている会社の新社屋で、1Fが製造工場、2F以上はアパートという建物だった。

翌日、再度、現地に出かけ、周辺の人に聞いてみた。すぐ前のアパートに住む方は「以前は○○の工場があった。外に出ると、いつも臭いがしていた」。美容院の店主は「○○の臭いが鼻につくくらいだった」という返事。1日中、そんな臭いがしては、夏になっても窓も開けることが出来ない。不動産会社の営業マンは、不利になることを言わないのは普通だが、工場を店舗と言ったり、倉庫と言ったのは、本人が成約の営業成績を上げるためか、会社の方針なのか分からないが、知っているのに隠したり、平気でウソをつくことが信じられない。手付けを払う前に分かったので、実害はなかったが、入居してから話が違うといっても、言った言わないの水掛け論になってしまう。

なお、○○を具体的に書くと業界の方は、どの会社か特定できるので伏字にしたが、家探しをするとき、不審に思ったことは納得がいくまで調べよう。契約をしてしまった後では手遅れなのだ。


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