沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
こちらに来てから、サークル活動の終了後、メンバーの皆さんと連れ立って昼食を食べに行くことが多く、「沖縄そば」の店によく行くようになった。数えてはいないが、100軒近くは行っているのではないだろうか。と言っても、沖縄で「沖縄そば」が食べられる店は、信号の数より多いといわれているので、ほんの一部の店に行ったに過ぎない。おいしかった店もあれば、私の好みではない店もあった。「沖縄そば」については、以前にも、このサイトでも取り上げたが、本土から来て初めて食べる人は、食堂に入って何を注文したらいいのか迷うかもしれないので、ほんの一部分をご紹介したい。
"そば" は、店により様々。麺の種類、スープの違い、トッピングの種類など、それぞれ特徴がある。基本は「沖縄そば」で、一般的なのは三枚肉とカマボコに紅しょうがが乗っている。次に、どの店にもあるのが、「ソーキそば」。ソーキとは豚のアバラ肉を骨をつけたまま煮込んだもの。すなわち骨付きスペアリブが、そばの上に乗っている。最近は骨まで食べられる「軟骨ソーキそば」も多くなった。初めてソーキそばを注文したとき、小皿が付いてきた。食べたソーキの骨入れの皿だとウチナーンチュの同行者が教えてくれた。「麺の "取り皿" かと思った」と言ったら大笑いされた。なお、店によっては「丸麺がいい?。平麺がいい?」と聞いてくる店がある。ある店で丸麺と答えたら、うどんのような太麺で「エッツ、これがそば?」とビックリした。それ以来、選択できる店では平麺と答えるようにしている。
「八重山そば」は、石垣島、西表島など、八重山諸島のそば。特徴は、三枚肉ではなく、豚肉を細かくカット。カマボコも千切り風。本島に比べ細めんが主流で、ちじれのほとんどない丸麺。本島のそばには、紅しょうがを入れる店があるが、「八重山そば」には入れないところが多い。ただし、下の写真のように石垣島の知花食堂では入れていた。
「宮古そば」は、その名の通り宮古島のそば。もう40年も前だが、私が沖縄で初めて食べたのが宮古島だった。店のメニューには「宮古すば」と書いてあったことを覚えている。本土のそばとは全く違った食感に 二度と食べないと思ったのが、こちらに住んだ今や、すっかり沖縄そばの "とりこ” になってしまった。トッピングは、そばの上に乗せるからトッピングなのだが、宮古そばの場合は、麺の間や器の底に入っている。Wikipediaによれば、具も乗せられないくらいに貧しいという風に見せることで、近所の目や年貢の取り立てに対抗しようとしたとか言われるが、真偽のほどは定かでない。ただ、近年では、他の地方のそばのように上に置かれることも多い。麺は、「八重山そば」のように、ちじれが少ない丸麺。
このほか、テビチの入ったテビチそば、豚キムチそば。骨そば。イカ墨そば。炙りソーキそば。炙り軟骨そば。山芋そば。トリそば。フーチーバー(よもぎ)そば。カレーそば。肉(牛肉)そば。野菜そば。中味そば。アーサーそば。ゆし豆腐そば。いの豚そば。それに、つけ麺タイプなど思いつくまま挙げたが、このほかにも、そばの種類は尽きないだろう。
私が食べた中で一番、お値打ちだったのは、石垣島の「知花食堂」のそばで、大が350円。小は300円だった。牧志の公設市場南のそば屋「田舎」のソーキそばは390円。つい一年前までは350円だった。店主のおばぁは、絶対に値上げをしないと言っていたが、時代の波には逆らえなかったようだ。ただし、上もあれば下もある。街の弁当屋さんでは、100円そばの看板をよく見かける。まだ、食べたことはないが、写真を見ると具がない。つまり麺だけのそば、本土でいうと "素そば" である。なかには、100円そばの文字の下にトッピングは紅しょうが、天かす、フーチバーから選択という貼り紙の店もあった。逆に私が食べたなかで一番高かったのは、本部町にある「島豚屋」の特製炙(あぶ)り島豚そば。確か1,000円以上したと思ってHPで確認したら1,080円だった。これが一番かと思ったら、同店の「炙りアグーつけ麺」は1,200円だった。私は、つけ麺は食べないので、まだ食べていない。また、一番ボリュームがあったのは、那覇市通堂(とんどう)町の波布(はぶ)食堂。デカ盛りとは、こういうものだという見本みたいだった。上に乗った肉や野菜を食べて、そばにたどり着いたときには、満腹になっている。たまたま厨房が見えるカウンターに座ったときに、目の前で "肉そば" を作っているのを見ていたが、見ているだけで胸やけがした。波布食堂について、詳しくは、⇒ コチラから。
下の写真の「八重山そば」は、石垣島の知花食堂さん。写真は "大"。「宮古そば」だけは、手元に写真がないのでHP「大和食堂」さんからお借りした。那覇市天久に「あけもどろ」という おもしろいそば屋さんがあった。店に入ると畳敷きで靴を脱いで上がる。畳の上にはテーブルと椅子が置いてある。畳の上に応接セットが置いてあるというのは、友達の家に遊びに行ったみたいだ。さらにメニューは、沖縄そばのMとコーヒーのセットで800円。それに「ぽーぽー」が付くと950円である。「ぽーぽー」をご存じない方は ⇒ コチラから。もちろん、そばだけというオーダーも出来る。「あけもどろ」とは、明け方とか朝日に染まるころという意味。
なお、本土から来て「沖縄そば」を初めて食べると「これが "そば"?」と思われるだろう。そば粉は一切使っていないので、本土のそばとは全く違うものである。詳しくお知りになりたい方は、このサイトの「沖縄そばPart1」⇒ コチラから。
「知花食堂」の八重山そば、350円 | 宮古そば |
「田舎」のソーキそば、390円 | 本部町「島豚屋」の炙りソーキそば、1,080円 |
「波布食堂」の肉そば、750円 | 「あけもどろ」のそばとコーヒーMセット、800円 |
《ご参考》Wikipedeiaによると、明治時代、本土や那覇市で「支那そば」「南京そば」「中華そば」の名で売られていた「そば」が「沖縄そば」のルーツだといわれている。大正時代になると、透明スープに三枚肉、沖縄かまぼこ、ねぎを具材にして現在の「沖縄そば」の原型となった。ただし、名称は「琉球そば」に統一された。そば屋は戦争で壊滅的な被害を受けたが、アメリカ統治下となり小麦粉が手に入りやすくなったので、そば専門店、大衆食堂のメニューとなって復活した。「沖縄そば」と呼ぶようになったのは、昭和47年の本土復帰後で、そば粉を使った「日本そば」と区別するためだった。
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