バターはセルフサービスです


名護市の食堂に行ったときのこと。壁一面に張られたメニューの最後に「バターはカウンターにあります。ご自由におとりください」と書かれた張り紙があった。久々に、この文言を見た。

ホリディマーガリン

移住する前のことだが、那覇市松山で入った食堂に同じようことが書いてあった(下の写真:左)。
バターと書いてあるが、実はマーガリンである。沖縄のマーガリンで圧倒的なシェアを占めているメーカーは、浦添市に本社がある湧川商会で、商品名は「ホリディーマーガリン」(左の写真、湧川商会のHPより)という。全国でも沖縄だけで売られており、別名「ごはんバター」ともいわれている。
理由は、ごはんの上にのせて食べるから…。ごはんにバターをかけて食べるなんて、ウソだと思われるかもしれないが、ホントの話である。パンにバターを塗るのだから、ごはんにバターをかけても不思議な話ではない。



バター 三笠食堂
那覇市松山の三笠食堂 セルフサービスのバター(マーガリン)と漬物


沖縄の皆さんは、マーガリンのことをバターと呼ぶ。昔の沖縄では、新米が入手困難で、ご飯がまずいので《今でもおいしくないけれど …(--、) 》、味を変えるために、"ふりかけ"のように、ご飯の上にマーガリンをのせて食べる習慣があった。当時は、どこの食堂にも置いてあり、好きなだけ取って食べることができたそうだ。その名残りが、今でも沖縄の一部の食堂に残っている。高カロリーを摂取するというのは、米国統治下にあった影響だろうか。こんな食生活をしていればメタボにならないはずはない。このサイトの「メタボになりそう」は、⇒コチラから お読みください。なぜホンモノのバターを使わないかというと、バターは高いからだとか。

前述の那覇市松山の食堂(松山の食堂には、三笠食堂とみかど食堂がご近所同士で並んでいる。どちらもお値打ちな価格で食べられる大衆食堂で、安くてうまい!。無料のマーガリンが置いてあるのは、三笠食堂の方。みかど食堂にあったかどうかは、記憶にない)のことだが、その当時のオネエサン(数十年も前の話だから、今もお勤めならオネエサンではなく、 "おばぁ" になっているはず ^_−☆ )から教えてもらったことがある。沖縄の食堂で、単品を注文するとき、「ご飯」と「味噌汁」と言うと、みそ汁にもご飯がついてくるので、ご飯が二つになる。同様に「野菜炒め」と「みそ汁」と「ご飯」と注文するとご飯が三つになり、みそ汁は二つになる。ただし、単品の みそ汁の器は、お椀ではなく、丼である。具も山盛りなので、すごいボリュームがあり、野菜もタップリ入っているので、野菜炒めは注文しなくてもいいかも。そんな頼み方をすると、店の "オネエサン" や "おばぁ” が、沖縄の食堂でオーダーするときのルールを親切に教えてくれので、よく聞いてからオーダーしよう。この ご飯が二つも三つになる話、初めて聞いたときは、驚いたなんてものじゃなく、 "へぇ〜、そんなことになるんだ" と感動した。

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