あたしのマブイ見ませんでしたか(池上永一著)


マブイ


『あたしのマブイ見ませんでしたか』

角川文庫

596円

タイトルにある「マブイ」とは、沖縄では『魂』のことをいう。沖縄では『魂』を落としたり失くしたりする人がいるそうだ。そして、魂を失うことを「マブイを落とす」とか「マブイが抜ける」と表現する。失う原因はケガや病気とか、何かのショックを受けるとか いろいろあるそうだが、沖縄では『魂』が生命の源と考えられいるので、『魂』を失うとボーとして体が抜け殻のようになったり、目の焦点が定まらずフラフラしたり、何をするにも力が入らず、文字通り魂が抜けたような状態になるという。

この本の著者は池上永一氏。昭和45年、沖縄県生まれ。平成6年、早稲田大学在学中に「バガージマヌパナス」で第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。ほかの著書に「黙示録」「テンペスト」「夏化粧」などがある。この本は短編集で、収録されているのは---
・マブイの行方  ・サトウキビの森  ・失踪する夜  ・カジマイほか、計8編
8編のうち沖縄を舞台にしているには、上記の4作で、そのうちの最初に収録されているのが「マブイの行方」。主人公は金城優子。旧暦12月は神事の総括の月であり、1日は拝みの日であった。そんな日に祝い事を行うのは島社会のご法度であった。ところが周囲の反対を押し切って、金城家ではオバァの73歳の祝いの宴と優子の姉の結婚披露宴を強行した。そのため優子にバチが当たってしまったのである。今年、20歳を迎える優子は、「マブイが落ちている」とユタに告げられた。落としてしまったマブイを早く拾わないと死んでしまう。マブイを探す優子の行く手に登場するのは、商売上手な魚屋、性格の悪い豚肉屋のオバァたちに、脱サラしたドレッドヘアのアイスキャンディー屋などなど。果たして優子のマブイはどこに…。

「マブイ」を落としたり、失くしたときの治療法は「マブイグミ(魂込み)」といって、『魂』を戻す儀式を行わねばならない。その方法は、HP「沖縄大百科 」によれば、マブイを落したと思われる場所に行き「マブヤーマブヤーウーティキミソーリ」(魂よ、私を追ってきてください)」という意味の呪文を3回唱えるというもの。しかしマブイを落して時間が経っている場合や落とした場所が分からないときは、信用あるユタに相談して見つけてもらうのだとか。



◎沖縄を題材にした著作で、このサイトでご紹介しているのは、(出版順ではなく、私が読んだ順)
  ・「風景を見る犬(樋口有介著)」⇒こちらから
  ・「Juliet(ジュリエット/伊島りすと著)」⇒こちらから
  ・「水滴(目取真 俊著)」⇒こちらから
  ・「太陽の棘(原田マハ著)」⇒こちらから
  ・「スリーパー(楡周平著)」⇒こちらから
  ・「鬼忘(きぼう)島(江上 剛著)」⇒こちらから
  ・「あたしのマブイ見ませんでしたか(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「テンペスト(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「黙示録(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「トロイメライ(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「ほんとうの琉球の歴史(渡久地十美子著)」⇒こちらから
  ・「本屋になりたい」(宇田智子著)」⇒こちらから
  ・「ニライカナイの風」(上間司著)」⇒こちらから
  ・「トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「豚の報い(又吉栄喜著)」⇒こちらから
  ・「祭祀のウソ。ホント(渡久地十美子著)」⇒こちらから
  ・「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか(安田浩一著)」⇒コチラから
  ・「辻の華(上原栄子著)」⇒こちらから
  ・「宇喜也嘉の謎(渡久地十美子著)」⇒こちらから
  ・「ヒストリア」(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「ウィルソン沖縄の旅 1917(古居智子著)」⇒こちらから
  ・「武士マチムラ(今野 敏著)」⇒こちらから
  ・「本日の栄町市場と、旅する小書店(宮里綾羽著)」⇒こちらから
  ・「秘祭(石原慎太郎著著)」⇒こちらから
  ・「ユタが愛した探偵(内田康夫著)」⇒こちらから
  ・「崩れる脳を抱きしめて(知念実季人著)」⇒こちらから
  ・「沖縄『骨』語り(土肥直美著)」⇒ コチラから
  ・「天地に燦たり(川越宗一著)」⇒ コチラから
  ・「波の上のキネマ」(増山実著)」⇒ コチラから
  ・「神に守られた島(中脇初枝著)」⇒ コチラから
  ・「宝島(真藤順丈著)」⇒ コチラから
  ・「あなた(大城立裕著)」⇒ コチラから
  ・「入れ子の水は月に轢かれ(オーガニックゆうき著)」⇒ コチラから
  ・「ジョージが殺した猪(又吉栄喜著)」⇒ コチラから
  ・「桃源(黒川博行著)」⇒ コチラから

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