黙示録(池上永一著)


黙示録


『黙示録』

角川書店発行

1,890円

琉球王朝を舞台にした小説をご紹介する。18世紀前半の琉球王国。賤(いや)しい身分の出身だが天性の華(舞台で人の目を惹きつける踊りの才能)を持ち、数奇な人生を送りながら踊りの本質へと迫っていく少年・蘇了泉は、病身の母のため、立身出世を目指して舞踊の頂点を極めようとする。しかし、ライバルの雲胡が登場し…。天才の「天国」と「地獄」を描く一大叙事詩、と書評にあった。平成25年9月発刊。著者の池上永一氏は、昭和45年、沖縄県生まれ。平成6年、早稲田大学在学中に「バガージマヌパナス」で第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。ほかの著書に「テンペスト」「夏化粧」などがある。

633ページ2段組みの大作なので、読み応えがある。著者は「心掛けたのは、目や指先の繊細な動きで喜びや悲しみを表現し、観客の心を奪う舞踊を踊っているように書くことだ。踊りのテーマを完全に理解した上で、悲しみや喜びに感応して書かないと、舞踊の表現にはならないと思った」と述べており、舞踏の場面がふんだんに登場するが、私は、琉球舞踏なるものには興味がないので、自分自身とはかけ離れた世界の物語だった。タイトルの「黙示録」の「黙示」の意味は、ネットで調べたら「覆いを取る」ことから転じて「隠されていたものが明らかにされる」という意味だというが、黙示録の意味をよく理解していないので、このタイトルと内容が、どう整合するのか分からないうちに読み終えてしまった。なお、ストーリーの途中までの展開は、美内すずえのコミック「ガラスの仮面」の北島マヤ vs 姫川亜弓を思い起こさせる。こんなことを言うと、「一緒にしてくれるな」と双方の著者から叱られそうだ。

◎沖縄を題材にした著作で、このサイトでご紹介しているのは、(出版順ではなく、私が読んだ順)
  ・「風景を見る犬(樋口有介著)」⇒こちらから
  ・「Juliet(ジュリエット/伊島りすと著)」⇒こちらから
  ・「水滴(目取真 俊著)」⇒こちらから
  ・「太陽の棘(原田マハ著)」⇒こちらから
  ・「スリーパー(楡周平著)」⇒こちらから
  ・「鬼忘(きぼう)島(江上 剛著)」⇒こちらから
  ・「あたしのマブイ見ませんでしたか(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「テンペスト(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「黙示録(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「トロイメライ(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「ほんとうの琉球の歴史(渡久地十美子著)」⇒こちらから
  ・「本屋になりたい」(宇田智子著)」⇒こちらから
  ・「ニライカナイの風」(上間司著)」⇒こちらから
  ・「トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「豚の報い(又吉栄喜著)」⇒こちらから
  ・「祭祀のウソ。ホント(渡久地十美子著)」⇒こちらから
  ・「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか(安田浩一著)」⇒コチラから
  ・「辻の華(上原栄子著)」⇒こちらから
  ・「宇喜也嘉の謎(渡久地十美子著)」⇒こちらから
  ・「ヒストリア」(池上永一著)」⇒こちらから
  ・「ウィルソン沖縄の旅 1917(古居智子著)」⇒こちらから
  ・「武士マチムラ(今野 敏著)」⇒こちらから
  ・「本日の栄町市場と、旅する小書店(宮里綾羽著)」⇒こちらから
  ・「秘祭(石原慎太郎著著)」⇒こちらから
  ・「ユタが愛した探偵(内田康夫著)」⇒こちらから
  ・「崩れる脳を抱きしめて(知念実季人著)」⇒こちらから
  ・「沖縄『骨』語り(土肥直美著)」⇒ コチラから
  ・「天地に燦たり(川越宗一著)」⇒ コチラから
  ・「波の上のキネマ」(増山実著)」⇒ コチラから
  ・「神に守られた島(中脇初枝著)」⇒ コチラから
  ・「宝島(真藤順丈著)」⇒ コチラから
  ・「あなた(大城立裕著)」⇒ コチラから
  ・「入れ子の水は月に轢かれ(オーガニックゆうき著)」⇒ コチラから
  ・「ジョージが殺した猪(又吉栄喜著)」⇒ コチラから
  ・「桃源(黒川博行著)」⇒ コチラから

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