沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
『豚の報い』 1,068円 文藝春秋 |
著者の又吉栄喜氏は、昭和22年、沖縄県浦添村(現浦添市)生まれ。琉球大学文学部卒業後、平成11年まで浦添市役所勤務の傍ら執筆。新沖縄文学賞、すばる文学賞などを受賞。この作品で、平成7年、芥川賞を受賞。 |
先日、著者の講演を聴く機会があった。この作品について「豚は祈りの象徴であり、魔除けにもなり、逆に魔物を招くこともある。内面のものを全部、出し切ったことにより奥深く沈んでいるものをが出てくる。自分の近くには神様がおり、それを物語に普遍化した」と語っている。また、物語の舞台となっている真謝島は、久高島や津賢島を想定して書いたそうだ。著者は子供の頃、エイサーが怖かったとか。夜中にエイサーの太鼓が聞こえてくるたびに、そのなかに死んだ青年が紛れているのではないか、との思いがあったと述べている。今のエイサーは、踊りのパフォーマンスに熱を入れる芸能のように思われているが、もともとは、死者をあの世に送るための念仏踊りが起源であったのだ。
平成11年、崔洋一監督、小澤征悦、あめくみちこ、早坂好恵、岸辺一徳ら出演により、映画化もされている。また、本の表紙は晩年、奄美を描き続けた故田中一村氏の作品が使われている。なお、芥川賞の "
又吉" と言っても、平成27年、「火花」で受賞した、お笑いコンビ・ピースの "又吉直樹氏" とは関係ない。
◎沖縄を題材にした著作で、このサイトでご紹介しているのは、(出版順ではなく、私が読んだ順)
・「風景を見る犬(樋口有介著)」⇒こちらから
・「Juliet(ジュリエット/伊島りすと著)」⇒こちらから
・「水滴(目取真 俊著)」⇒こちらから
・「太陽の棘(原田マハ著)」⇒こちらから
・「スリーパー(楡周平著)」⇒こちらから
・「鬼忘(きぼう)島(江上 剛著)」⇒こちらから
・「あたしのマブイ見ませんでしたか(池上永一著)」⇒こちらから
・「テンペスト(池上永一著)」⇒こちらから
・「黙示録(池上永一著)」⇒こちらから
・「トロイメライ(池上永一著)」⇒こちらから
・「ほんとうの琉球の歴史(渡久地十美子著)」⇒こちらから
・「本屋になりたい」(宇田智子著)」⇒こちらから
・「ニライカナイの風」(上間司著)」⇒こちらから
・「トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ(池上永一著)」⇒こちらから
・「豚の報い(又吉栄喜著)」⇒こちらから
・「祭祀のウソ。ホント(渡久地十美子著)」⇒こちらから
・「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか(安田浩一著)」⇒コチラから
・「辻の華(上原栄子著)」⇒こちらから
・「宇喜也嘉の謎(渡久地十美子著)」⇒こちらから
・「ヒストリア」(池上永一著)」⇒こちらから
・「ウィルソン沖縄の旅 1917(古居智子著)」⇒こちらから
・「武士マチムラ(今野 敏著)」⇒こちらから
・「本日の栄町市場と、旅する小書店(宮里綾羽著)」⇒こちらから
・「秘祭(石原慎太郎著著)」⇒こちらから
・「ユタが愛した探偵(内田康夫著)」⇒こちらから
・「崩れる脳を抱きしめて(知念実季人著)」⇒こちらから
・「沖縄『骨』語り(土肥直美著)」⇒ コチラから
・「天地に燦たり(川越宗一著)」⇒ コチラから
・「波の上のキネマ」(増山実著)」⇒ コチラから
・「神に守られた島(中脇初枝著)」⇒ コチラから
・「宝島(真藤順丈著)」⇒ コチラから
・「あなた(大城立裕著)」⇒ コチラから
・「入れ子の水は月に轢かれ(オーガニックゆうき著)」⇒ コチラから
・「ジョージが殺した猪(又吉栄喜著)」⇒ コチラから
・「桃源(黒川博行著)」⇒ コチラから
・「翡翠色の海へうたう(深沢 潮著)」⇒ コチラから
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