沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
『沖縄「骨」語り』 980円+税 琉球新報社 |
著者の土肥直美氏は、昭和20年生、熊本県出身。九州大学理学部生物学科卒業。専門は形質人類学で、平成4年から同22年まで琉球大学医学部解剖学第一講座准教授。平成22年から始まった沖縄県立埋蔵文化財センターによる、石垣島の白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡の調査に参加し、旧石器時代人骨の発掘と分析に携わっている。共著に「沖縄人はどこから来たか」がある。 |
著者は、感動の瞬間をこのように表現している。「石垣島白保竿根田原洞穴遺跡の発掘の現場で、1.6〜1.8万年前の地層を掘っていたときのことである。ピックの先に”カツッ”という独特の感触が伝わってきた。アッツ、骨だ!ピックを止めて刷毛で土を取り除いていく。すぐに黒っぽい頭骨の一部が土の中から顔をのぞかせた。新たな更新世頭骨出土!の瞬間である。・・・心臓のドキドキが指先まで伝わってきそうだった」著者のそのときの気持ち、とてもよく分かる。こんな決定的な瞬間に何度も立ち会えるなんて、何て幸せな人だ。
これらの旧石器時代の遺骨と、その後の貝塚時代人、そして現代の沖縄人との関係は、いまだに不明である。これまで沖縄から出土する1000体を超える先人の声なき声を聞いて、骨と語り合っている土肥氏には、ぜひ その謎を解き明かしてほしいものである。
◎沖縄を題材にした著作で、このサイトでご紹介しているのは、(出版順ではなく、私が読んだ順)
・「風景を見る犬(樋口有介著)」⇒こちらから
・「Juliet(ジュリエット/伊島りすと著)」⇒こちらから
・「水滴(目取真 俊著)」⇒こちらから
・「太陽の棘(原田マハ著)」⇒こちらから
・「スリーパー(楡周平著)」⇒こちらから
・「鬼忘(きぼう)島(江上 剛著)」⇒こちらから
・「あたしのマブイ見ませんでしたか(池上永一著)」⇒こちらから
・「テンペスト(池上永一著)」⇒こちらから
・「黙示録(池上永一著)」⇒こちらから
・「トロイメライ(池上永一著)」⇒こちらから
・「ほんとうの琉球の歴史(渡久地十美子著)」⇒こちらから
・「本屋になりたい」(宇田智子著)」⇒こちらから
・「ニライカナイの風」(上間司著)」⇒こちらから
・「トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ(池上永一著)」⇒こちらから
・「豚の報い(又吉栄喜著)」⇒こちらから
・「祭祀のウソ・ホント(渡久地十美子著)」⇒こちらから
・「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか(安田浩一著)」⇒コチラから
・「辻の華(上原栄子著)」⇒こちらから
・「宇喜也嘉の謎(渡久地十美子著)」⇒こちらから
・「ヒストリア(池上永一著)」⇒こちらから
・「ウィルソン沖縄の旅 1917(古居智子著)」⇒こちらから
・「武士マチムラ(今野 敏著)」⇒こちらから
・「本日の栄町市場と、旅する小書店(宮里綾羽著)」⇒こちらから
・「秘祭(石原慎太郎著著)」⇒こちらから
・「ユタが愛した探偵(内田康夫著)」⇒こちらから
・「崩れる脳を抱きしめて(知念実季人著)」⇒こちらから
・「沖縄『骨』語り(土肥直美著)」⇒ コチラから
・「天地に燦たり(川越宗一著)」⇒ コチラから
・「波の上のキネマ」(増山実著)」⇒ コチラから
・「神に守られた島(中脇初枝著)」⇒ コチラから
・「宝島(真藤順丈著)」⇒ コチラから
・「あなた(大城立裕著)」⇒ コチラから
・「入れ子の水は月に轢かれ(オーガニックゆうき著)」⇒ コチラから
・「ジョージが殺した猪(又吉栄喜著)」⇒ コチラから
・「桃源(黒川博行著)」⇒ コチラから
・「翡翠色の海へうたう(深沢 潮著)」⇒ コチラから
ナビゲーションはトップページにあります。⇒ TOPページへ
背景の「読谷山花織」は、「ゆたんざはなうぃ」または、「よみたんざんはなおり」と読みます。琉球王朝のための御用布として織られていました。絶滅寸前だったものを、昭和39年に読谷村で「幻の花織」として復活しました。