沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
比謝川が氾濫し、嘉手納町と読谷村の交通が分断された国道58号線。後方は行く手を阻まれた車の列(琉球新報より)。 |
私のケータイに2度も緊急避難勧告のエリアメールの音が鳴り響いた。台風8号は、中心気圧は930ヘクト・パスカル、中心付近の最大風速が50メートル、最大瞬間風速は70メートルという大型で強い勢力のまま沖縄本島と宮古島の間を駆け抜けていった。気象庁は平成26年7月8日午前、沖縄本島地方と宮古島地方に「暴風・波浪・高潮特別警報」を出したほか、午後2時過ぎには沖縄本島南部の南城市、中部の沖縄市と嘉手納町に「大雨特別警報」を発令。同日、午後5時過ぎには、沖縄本島北部の名護市、恩納村にも「大雨特別警報」を発令した。
沖縄で特別警報が発令されたのは初めてで、台風で特別警報が出されたのも全国で初めであった。テレビでは、7月としては、数十年に一度来るか来ないかというぐらい大型の台風であると警告を繰り返していた。結果、名護市で降り始めからの雨量が450ミリという記録的な雨が降ったほか、19市町村の59万8千人に避難勧告が出された。これは、沖縄県の5人に2人にあたる。停電も33市町村の9万6千戸に及び、収穫を迎えたマンゴーや植付け間もないさとうきびなど農作物は大打撃を受けた(3日後、県は被害総額は22億円と発表した)。
沖縄では、暴風警報が出るとユイレールやバスは基本的には運休(運行中に発令されたとき、または運休中に解除されたときは、運行会社の判断による)となり、学校や公共の施設はお休みとなる。民間でも多くの会社が休日となる。今回のように勢力が強い台風が来ると、外に出ることが出来ないので、皆、家でおとなしく?しているのか、外を走る車も少なく、通行人も見かけない。私も外に出ることもなく、幸い停電を免れたので、テレビの台風情報を見て1日を過ごした。外を眺めていると大粒の雨がテラスのガラス戸を打ち付けている。遠くの景色が霞んで見える。時折、突風が吹くたびに建物が揺れる。鉄筋なので、揺れるような気がしているだけかもしれないが、妻はこわがりなので、風が音を立てるたびに「大丈夫?ネェ、大丈夫だよね」と聞いてくる。
沖縄には雨戸がない家が多い。関東から移住して来た知人は一戸建てに住んでいるが、雨戸がなかったため一昨年の台風で飛んできた板切れで窓ガラスが割れたそうだ。そのため、雨戸を自分で取り付けるは難しいので、窓にアルミの格子を取り付けた。そして、停電が6日も続いたので、今後に備えて家庭用の発電機を購入したそうだ。せっかく買ったのに、買ってから一度も使ったことがないとボヤいていた。我家では、全ての窓をロックし、通風孔も塞いでいたのに、朝起きたとき室内の湿度計が80%を示していた。停電になるとクーラーも止まるので、いつもより強めにかけたため昼には65%まで落ちていた。夜10時を過ぎても暴風雨は、一向に衰えを見せない。昨晩は雨と風の音で何度も目が覚めた。今夜も眠れそうになさそうだ。そして台風は、強い勢力を保ったまま、東シナ海を北上していった(写真は、平成26年7月9日付け琉球新報。左は傾いた那覇市の栄町アーケード。食料品や居酒屋が多い街。右は倒壊した那覇市松川の食堂)。
そして翌朝、台風は去ったが、雷鳴とともに前日より雨が激しく降っていた。7時30分、またしてもエリアメール。再び大雨特別警報が発令され避難勧告があった。こんどは、50年に一度の大雨が降るという。「命を守るために非難しろ」と言うが、大雨の中を非難するほうが、よほど危ないと思う。今朝の新聞を見ると全県で59万人余に避難勧告が出されたが、実際に非難したのは1,231人だったとか。沖縄の家はほとんどが鉄筋だから海岸線や河川沿いに住んでいない限り、家にいたほうが安心なんだ。やはり、沖縄県民は台風に慣れている。
移住してこられる方は、住宅が水没するような地域には住まないよう場所探しは慎重に!。
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翌朝の大雨で氾濫した天願(てんがん)川にのまれた住宅。うるま市天願(琉球新報より)。 |
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