沖縄手帳って何?


沖縄の諸行事は旧暦で行われていると思っていた。ず〜っと、そういうイメージを持っていたのだが、こちらで生活してみると、必ずしもそうではなく、新暦、旧暦が入り混じっているようだ。

沖縄の人は、ご先祖様を大切にする。ご先祖様に関する祭祀のほとんどは旧暦で行われている。旧暦3月の清明の節に行う祖先供養は清明祭(シーミー)と呼ばれる。ウマチーは旧暦の2月、3月、5月、6月の15日に行われる。初麦・初稲をトートーメー(先祖の位牌の別称で、「尊い方」を意味する )にお供えして祝う。もちろん、お盆は全国的には新暦の8月15日だが、沖縄では旧暦7月15日である。このほかにも、いろいろな行事が旧暦で行われている。

では、正月はどうかと言うと、これは、新暦である。新暦になった理由は、昭和31年、米軍下の琉球政府に新生活運動推進協議会ができて「新正月一本化運動」が推奨されたのが原因で、徐々に変わりはじめ、本土復帰のころには新正月が主流になったとか(HP「沖縄の心」より)。ただし、グソー(後生=あの世)の正月は、旧暦1月16日に行われるが、七草や鏡開きは新暦で行われる。糸満市などの一部地域では、旧正月と新正月の両方を祝うところもあるそうだ。

《ご参考》グソーの正月---亡くなった人や先祖にご馳走をささげ、あの世での正月を一族で祝う。特に南西諸島で盛んに行われている(琉球新報より)。

そういう新暦と旧暦を、どちらも使っている沖縄県民のために「沖縄手帳」なるものが、売られている。キャッチフレーズは、”沖縄県民一家に一冊「沖縄手帳」”だそうだ。旧暦にそった沖縄独特の年中行事やイベントが満載され、12月になると書店に平積み(本屋用語で平面の棚の上に本を平に積むこと。つまり、同じ本を何冊も置くので売れ筋の本しか平積みにしない)になる。(下の写真:左はHP「ゆいぷれ」よりお借りした)スマートフォン版もある。iTunesからダウンロードできるとか。


沖縄手帳 アールブリュット入り手帳


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《追記》 平成30年10月17日付けの琉球新報に、2019年販の「沖縄手帳」にはダウン症の長嶺留美子さんが描いた「さかな」がアールブリュット作品として起用されたと報道された。
アールブリュットとはフランス語で障がい者の創作芸術を表す言葉で、自身の内側から湧き上がる衝動をそのまま表現した「生の芸術」を意味する。長嶺さんの作品は、鮮やかな青色の海原を悠々と泳ぐ2匹の魚が描かれている。魚はデフォルメされ、人間の顔のようにも見える独特のタッチだ。特に色塗りにこだわったといい、一色一色時間をかけ仕上げたという。色彩豊かで温かみのある長嶺さんの作品は、手帳を使用する人を笑顔にする(上の写真:右)。

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