沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
平成26年10月の台風19号は、外周の雲を含めると大隅諸島の種・屋久
から八重山 諸島の与那国島まで、1,300キロに及ぶ巨大な雲を持っていた(毎日新聞Webより) |
何を今さら、といわれるかもしれないが、沖縄は台風の通り道である。特に、ここ数年、スーパー台風と呼ばれる、過去に経験したことのないような超大型台風がやってくる。
60年くらい昔の話だが、石原裕次郎さんが「風速40米」という曲を歌っていた。その当時、私は小学生だったが、子供同士の会話で、そんな台風は来るわけないよね〜と話していたら、この曲がヒットした翌年、伊勢湾台風が来た。本当に風速40メートルだった。
スーパー台風は、風速80メートルを超す。平成28年10月の台風18号は、中心気圧が国内最高の905ヘクトパスカル、最大瞬間風速85メートルまで発達し、沖縄で68万人に避難勧告が出された。平成27年9月の台風21号は、最大瞬間風速が80メートル超の暴風が吹き荒れ、1時間降水量が130ミリ超と、これも観測史上最大クラスの大雨だった。また、平成26年7月の台風8号は、沖縄本島に大雨、暴風、高波、高潮の「特別警報」が発表された。台風で特別警報が出るのは、全国で初めてだった。その後、台風が通過し、一旦は特別警報が解除されたが、台風が通過したにもかかわらず、再び「大雨特別警報」が発表され、1時間当たりの降水量が100ミリ、総降水量は450ミリという記録的な大雨となった。これらの台風が来たときには、通り過ぎるまで一歩も外に出ることができなかった。まぁ、出たとしても、ほとんどの店はシャッターが下りているので、外に出る必要はないだろうが…。
しかし、上には上がある。昭和41年には宮古島で瞬間最大風速85メートルを記録しており、昭和63年には多良間島で1時間降水量152ミリを記録している。これは日本歴代3位である。また、昭和45年には宮古島で138ミリを記録している(記録は、すべて気象庁の歴代気象データ観測より)。
順位 | 観測地点 | 風速(m/s) | 日 時 |
1 | 宮古島 | 85.3 | 昭和41年9月5日 |
2 | 与那国島 | 81.1 | 平成27年9月28日 |
3 | 那覇市 | 73.6 | 昭和31年9月8日 |
4 | 石垣島 | 71.0 | 平成27年8月23日 |
5 | 西表島 | 69.9 | 平成18年9月16日 |
さて、沖縄に移住を計画しておられる皆さん!。初めて沖縄に来て大きな台風を経験されると、その風の強さに、きっと驚かれるだろう。風で高圧送電線の鉄塔が折れ曲がる。風力発電の大きなプロペラが引きちぎられる。電柱や信号機が倒れる。車が木の葉のように飛んでゆく。家のドアを開けようにも、風向きによっては風圧でドアが開かない。アチコチから物が飛んできて壁や窓ガラスに当たる。私の住んでいるアパートの窓は、すべて網入りガラスだが雨戸がない。家の周りに新築の一戸建てがたくさんあるが、雨戸のある家は ほとんどない。私と同じ本土からの移住者で一戸建てに住んでいる知人がいる。雨戸がなかったので、台風のとき、物が飛んできて窓ガラスが割れた。全てのテラス、窓に雨戸を取り付けようと見積もりを依頼したら、驚くほど高かったので、雨戸はあきらめ、窓にスチールの格子を取り付けたと言っていた。
また、意外なものが飛んでゆく。エアコンの室外機が倒れ、風にあおられて床から離れて宙に浮くのだ。屋根の上に取り付けたもので固定してないと飛んでいってしまうこともある。室外機は重そうに見えるが、意外と軽い。私の住んでいる部屋のバルコニーや廊下の室外機は置いたままで補強していないが、吹きさらしの壁の外にも1基ある。工事屋さんが、ここは危ないと言われたのでアンカーボルトでコンクリートの床に固定してもらったが、標準工事費以外に3,000円の追加料金を支払った。わずか数センチのネジでは心配だったので、自分で室外機用の固定ベルトを買ってきて補強した。近くのスーパーの大型室外機は金属のワイヤで床のコンクレートに固定してあった。
H25/7台風7号(Gif magazineさんより) この画像が信じられない方は ⇒ コチラを。 |
風力発電の羽根は折れ曲がり、鉄塔は…(沖縄電力さんより) |
家庭用でも場所によっては室外機をワイヤで固定する。固定してないと宙に浮くことも…。 (debuggin everydayさんよりお借りした) |
なお、海に囲まれた沖縄は、塩害とは切っても切れない関係にある。ネットで読んだ話だが、面白い実験をした人がいる。台風のとき雨漏りしたので、それを溜めたら2リットルあった。鍋に移して煮詰めたら白い結晶が残った。舐めたら塩だったそうだ。台風のときは上昇気流が起きて海水を持ち上げるので、雨には海水を含んでいるのだ。だから沖縄では室外機はどんどん腐食する。雨も降れば風も吹く。台風が運んできた潮風によっても錆びる。台風などの後は、こまめに室外機を洗い流すか、塩害対策をしてある室外機を買う。ネジやボルトはステンレス製やニッケルメッキ処理をしてあり、外装、熱交換機などは防錆性の高い素材を使用している。移住して来られる方で、本土で使っていたものを沖縄へ持ち込む予定の方は、引っ越しの際の取り外し費用や再取り付け費用を考えると、どちらが得だろう…。
さらに、台風が来て困るのは停電になることである。停電すると那覇市の復旧は早い方だが、那覇から遠く離れ、沖縄電力の営業所からも遠いと復旧に時間がかかるのだ。前述の一戸建ての知人は本島中北部に住んでいるが、停電してから復旧するまでに5日かかったときがあったいう。そのため、冷蔵庫くらいは使えるようにと自家発電機を買った。8万円したそうだ。燃料は、カセットのガス方式とガソリン方式があったが、カセット式は維持費が高い上に、カセットはどこにでも売っているものではないので、臭いは我慢することにしてガソリン式にしたと言っていた。めったに使うことがないので、もっぱらアウトドアのレジャーに使っているとか。
なお、平成28年10月の猛烈台風18号がきたとき、沖縄本島のライフライン、交通機関、大型スーパーがどう対応したかについては⇒ コチラから。
◎このサイトの台風関連は、
・ 水没 ⇒ コチラから。
・ 台風8号で特別警報発令! ⇒ コチラから。
・ スーパー台風 ⇒ コチラから。
・ 台風でも元気な街 ⇒ コチラから。
・ 波浪注意報と高潮注意報、どう違う? ⇒ コチラから。
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