沖縄の交通事情


本土の友人が遊びに来たとき、「沖縄では車がないと生活できないそうだが、車の運転が出来ない人はどうするんだ?」と尋ねられた。私も移動手段は車なので、公共交通について、このサイトでは触れることは少なかったと思う。沖縄の隅々まで知っているわけではないが、移住を考えておられる方に「沖縄の交通事情」をご紹介したい。

沖縄にはモノレールはあるが、本土のような鉄道はない。このためモノレール駅の近くに住まない限り、マイカーは生活の足として必需品である。そのモノレールだが、沖縄では「ゆいレール」という。「ゆい」は ”共同労働” を意味するそうだ。モノレールがあるといっても、総延長は、わずか13キロ。那覇空港〜首里間を走っているだけ。経路は ⇒コチラから。 今、延長工事をしているので、平成31年には、浦添市の西原入口まで、4.1キロ伸びる予定だ。この沿線に住んでいれば、市の中心部へ行くにも、大型ショッピングセンターをはじめ美術館、映画館や空港へ行くにも便利なので、遠方に出かけない限り、必ずしもマイカーがなくても生活できるだろう。



ユイレール
昼は10分間隔、朝は6分間隔で運行されているユイレール

モノレール以外の公共交通機関は路線バスしかない。本島のバス会社は、沖縄バス、那覇バス、琉球バス交通、東陽バスがある。路線別に番号がついている。この他には、読谷村コミュバス、国頭村営バスなども走っている。路線は多いが、バスはあまり役に立たない。理由は、まず時刻表どおりに走っていないので当てにできない。といっても、運転手がサボッテいるわけではなく、那覇市とその周辺では慢性的な交通渋滞、郊外線は路線が長いので定時運行が出来ないのだ。たとえば、那覇市から名護市まで運行している77番のバスは一般道を走るので、時刻表を見ると最長3時間20分かかる。途中のバス停から乗ろうと思うと朝夕のラッシュ時間はもちろん、ラッシュ時間でなくても、いつバスが来るか分からないのである。このバスしか通っていない地区の方は、バスを待つにも忍耐がいる。

また、標識は立っているが、時刻表が掲示されていないバス停もある。そんなバカなと思われるだろうが、剥がされたような跡もないので、初めから無かったとしか思えない(その後、私の所属するサークルに路線バスの運転士をしていた人がいたので聞いてみたら、降車専用のバス停だそうだった)。また、沖縄市に上りはあるのに下りにはないバス停があった。さらに路線網が複雑で系統がいろいろあるので、終点まで乗る人はいいが、途中で降りたい人には、どこを経由するのかわからないので利用しにくい。PCで時刻検索をしても、その時刻表が正しいとは限らない。ダイヤ改正をしても、HPの時刻表を直してないのだ。廃止された路線でも、検索すると、まだ時刻表が残っている。さらに、1年前に消費税が値上げされ、バス運賃も値上げされたが、ネット検索すると以前の料金表のままである。市町村合併で市の名称が変わったのに、10年経っても市役所前のバス停の標識は旧名称のままというバス停もある。

なお、本島の中南部は本数も多いが、名護市から北へは、極端に不便となる。1時間に1本あれば多い方で、名護市から東村へ行くバスは1日3往復しかない。国道を走るからバスの本数が多いとは限らない。辺土名バスターミナルから北へは、国道58号線を走るが1日4往復しかない。島の西海岸は路線が繋がっているが、東海岸は途中で分断されている。

また、バスは、郊外のバス停では停まってくれるようになったが、那覇市内では手を上げないと停まってくれないことがある。バス停に立っているだけでは通過されてしまう。これは沖縄では昔からの習慣なので、なかなか直らない。バスの利点は、皮肉で言っているわけではないが、いつも空(す)いているので席に座れることぐらいかなぁ。バスを利用している高校生が、遅れてくるバスが来る直前にバス停に来るので、どうしてバスが来るのが分かるのか聞いたら「いつ来るか分からないのでバス停では待たない。学校で待っていて、スマホで ”バスなび” を見て、バスが近づいたのを確認してからバス停に行く」と言っていた。沖縄に ”バスなび” があることを初めて知った。「路線バス総合案内システム」というそうだ。それから、知っておきたい肝心なことを申し上げる。沖縄では暴風警報が出るとバスやゆいレールは、基本的には運休となる(運行中に発令されたとき、または、運休中に解除されたときは運行会社の判断による。先日も台風により午後10時26分に出された暴風警報が、その翌日の午前7時59分に解除された。ゆいレールは始発から通常運行していたが、バスが運行されたのは午前11時からだった)。余談だが、警報が出ると幼・小・中学校と高校、特別支援学校は休みとなり、ゴミの収集も中止となる。

「沖縄にも鉄道を!」という動きもある。構想では那覇空港から名護市までを1時間で結ぶというもの。計画ではなく構想段階なので、いつのことになるのか具体的になってはいないが、詳しくは、下記の「沖縄にも鉄道があった」をご覧くだされ。しかし、私が生きているうちは実現しないだろう。そんなわけで、結論からいうと、沖縄ではマイカーは必需品だが、歳(とし)を取って免許証を返納したらどうしょうかねぇ〜?。 (--、)

◎このサイトの交通関係は、
  ・ガラガラのバス ⇒ こちらから
  ・那覇市の交通渋滞は ⇒ こちらから
  ・職務怠慢は ⇒ こちらから
  ・沖縄にも鉄道があったは ⇒ こちらから
  ・危ないタクシーは ⇒ こちらから

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