沖縄にも鉄道があった


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《追記》鉄道推奨ルート案決まる
沖縄県は、平成25年6月、沖縄本島を縦貫する鉄道構想について公表したが、このほど発行された「おきなわ鉄軌道ニュース」の2018年第7号によれば、那覇と名護間を1時間で結ぶ鉄軌道のコース案に決まったことが発表された。

それによると、ルートは、那覇〜浦添〜宜野湾〜沖縄〜うるま〜恩納〜名護という人口集中地域を通り、また、北部の観光施設への利便を図るもので、ほとんどが地下トンネルか山岳トンネルか高架構造という計画である。今後は、県民から広く意見を求め検討するとしている。総工費は、およそ6,000億円と記載されているが、完成時期については記載がない(追記終わり)。

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図書館の郷土史コーナーの本で、「沖縄にも鉄道があった」という記事を読んだ。戦前までは、那覇から嘉手納・与那原・糸満を結ぶ3路線があった。軽便鉄道と呼ばれていたが、空襲、地上戦で破壊されて終戦を迎えた。アメリカ統治下になってからは車社会となり、道路の整備が進み、鉄道は復旧することなく消滅したと書かれていた。そして今、モノレールの沖縄市までの延伸計画以外に、那覇空港から名護まで1時間で結ぶ鉄道の敷設構想があることを新聞で知った。歓迎すべきことなのだが、意外にも鉄道建設に反対する意見があるそうだ。

その主な理由は、
  1.全線の7割がトンネルでは、海が見えないので観光客は利用しない。
  2.こんな狭い島に鉄道は不要。
  3.高速道路で1時間で行けるのに、同じ所要時間の鉄道を造る意味がない。
  4.採算が取れないので赤字になる。第3セクターだと赤字は税金で補填される。
  5.バス業界やレンタカー業界が反対するので、まとまらない。
  6.日本政府は、鉄道建設の支援と引き換えに辺野古の海を埋め立てようとする。
    …この意見は、仲井真前知事時代に書いたものなので説得力があったが、基地反対派の翁長知事の誕生で消滅した。
  7.国からの補助金で造れば、また、沖縄県はユスリ・タカリ県と言われる。

と、こんな意見があるそうだ。上記の反対理由は、なるほど、そうかもしれない。しかし、沖縄は極度の自動車依存社会である。今後の高齢化に対応するには、公共交通への転換は不可避だと思う。たとえ、数十年かかろうとも、経済振興のためにも、また、自動車公害の抑制のためにも鉄道は必要だと思う。観光客のためだけに造るのではない。
しかし、車の利便性に慣れた県民が、公共交通機関にシフトを変えることができるのかは、大いに疑問が残る。単に鉄道を敷設するだけでなく、あわせて県民の意識改革を進めることも必要だと思う。

《ご参考》沖縄県は、平成25年6月、沖縄本島を縦貫する鉄道構想について報告書を公表した。
それによると、想定ルートは那覇空港〜名護間の約69km。那覇空港と那覇県庁前、新都心、浦添、普天間、沖縄、うるま、恩納、名護を結ぶ。各構造物の比率はトンネル70%、高架橋16%、土工10%、駅部 2%で、全線の7割がトンネル。那覇空港からうるま市にかけては、普天間駅付近を除き、ほぼ地下を走る(HP 「Response」より)。

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