沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
私の家の屋上から見渡すと、東西南北、いずれにも高圧送電線が見える。鉄塔が高いので、ひと目で分かる。一番近いのは700メートルのところにある。ショッピングに行くときなど、外出すれば、必ず送電線の下を通り抜けたり、平行して走る。この島には、136箇所の変電所と1,000キロに及ぶ送電線があるのだから、沖縄に住んでいる以上、避けることはできない。
家内は、電磁波に敏感なので、送電線に近づくと頭痛がするという。人体に悪影響を及ぼすのは、200メートル以内と言われている(HP「電磁波と上手く付き合おう」より)ので、時速40キロで走っていたとしても、送電線を1回くぐると36秒間は、電磁波の影響下に置かれていることになる。これは車に乗っている場合だが、歩くと6分間は、さらされていることになる。沖縄自動車道は、沖縄南IC以北、宜野座IC辺りまで、送電線は道路と平行するように延々と走っている。
以前から気になっていたことなのだが、沖縄では子どもの学力が低いという。文部科学省の「全国学力・学習状況調査」によると、全国最下位である。その原因の一つに、送電線による電磁波が影響しているのではないか。「勉強しても頭に入らない」、「新しいことが覚えられない」、「集中力の低下」、「落ち着きがない」などは、電磁波過敏症の症状と一致している部分が少なくない。私の家の近くに小学校が4校ある。国土地理院の送電線が入った地図で見てみると、そのうち3校は、300メートル程のところに高圧送電線が走っている。学校自体は送電線の真下や人に悪影響を与える200メートル以内ではないが、登下校の際には、その下を通る子もいるだろう。高圧送電線は、街の中も通っているので、当然、一般住宅にも影響が及ぶ。そんな電磁波にさらされて暮らしている子ども達には、決していい環境ではない。子どもの学力低下の要因には、子連れ居酒屋、不規則な就寝、学習意欲の欠如、教育環境の不備などが挙げられているが、電磁波についても専門家のご高説を仰ぎたい。
電磁波でネット検索をしていて、ゾッとする写真を見つけた。大阪府に電磁波地獄地帯があるそうだ。それは門真(かどま)市。住宅やマンションの上を高圧送電線が走り、巨大な鉄塔が墓標のように並び「鉄塔の街」と言われており、HP「電磁波」によると門真市を中心に2km四方は2mG以上の磁場が放射している。これは15万7000ボルトの高圧線、7万4千ボルトの地下送電線や変電所から放射される強力な磁場の影響によるものという。このためガンの発生率は全国平均の20倍、白血病に至ってはなんと全国平均の100倍という異常な高さとなっている(下の左の写真は、My News Japanさんの記事から転載させていただいた。右の写真は送電線の真下にある上平良川公園。沖縄本島では、ありふれた風景である)。
なお、上記の「送電線と子どもの学力」を理学博士で琉球大学の賀数清孝教授に見ていただいたところ、次のようなコメントをいただいたので、ご紹介する。
スウェーデンでは、2~3mGを目安に小学校や幼稚園の近くの鉄塔の撤去、住宅密集地近くの送電線の撤去を実施していますし、長時間被曝の基準値を4mGに制限しています。また、送電線から140m以内の住宅建築の制限も実施しています。イタリアでは、さらに厳しく幼稚園や小学校の基準値を2mGにおいています。これからしますと、送電線からの200mは安全な距離として妥当だと思われます。(「生体と電磁波」、丸善、坂部、羽根、宮田、p.142参照)
送電線/配電線がつくる磁界の計測例を見ますと、100mで大体1~2.5mGですので、1mG以下が安全だというバイオイニシアチブ2007の提言に従いますと、200mはやはり妥当な距離のように思われます。電磁波強度は季節や時間帯でも大きく変動しますので、なかなか測定が厄介ではあります。
送電線と子どもの学力の関係ですが、興味深い着眼点だと思います。西原町でも送電線が幼稚園や小学校の近くを通過している所もありますので、問題のある環境です。電磁波によって確かにいろいろな症状が出ますので、集中力が続かなくなり、学習意欲もなくなる恐れがあります。学習に対しては、いろいろな要因があるとは思いますが、電磁波環境も大変重要な一因でしょう。電磁波環境の良い所と悪い所で比較調査できるといいのですが。
門真市は確かに松下電器や電磁波汚染で有名ですが、一度機会があれば訪れてみたい地域です。「電磁波安全論にだまされるな」(洋泉社、平澤正夫p.15)を読みましたら、相当きびしい所のようです。
ご多忙にもかかわらず、コメントをいただきました。賀数教授には、厚く御礼申し上げます。
◎このサイトで「電磁波」関連のページは、
「電磁波の恐怖」⇒こちらから
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