恐るべしシーチキン


本土にいるとき、シーチキンを『ケース』で買ったことはなかった。ケースで売っているのを見たこともなかった。1個で買うか、3個連結、4個連結で1パックという単位で買っていたが、こちらでは、1個○○円、1ケース○○円と表示して箱積みで売っている。スーパーのチラシでもポーク缶と並んで目玉商品のトップ扱いである。それと、シーチキンは種類別に売っている。オイル漬けとノンオイルがあることくらいは知っていたが、シーチキンのオイル漬けだけでも、

     フレーク   素材---びんながまぐろ  形状---フレーク
     L      素材---きはだまぐろ   形状---チャンク
     Lフレーク  素材---きはだまぐろ   形状---フレーク
     マイルド   素材---かつお      形状---フレーク
     ファンシー  素材---びんながまぐろ  形状---ブロック

こんなに種類があることは知らなかった。このほかにも、「シーチキン純」、「素材そのままシーチキン」、「シーチキンとろ」、「シーチキンPLUSコーン」、オイルも綿実油だったり大豆油だったりなどなど、はごろもフーズのHPを見ると、もっとたくさんあるようだが、ステマ(やらせ広告)と間違えられそうなので省略。沖縄のツナ缶消費量は、秘密のケンミンSHOWによれば全国1位。全国平均の何と5倍だそうだ。沖縄のお中元、お歳暮の定番は、箱入りシーチキンだという。シーチキンは、沖縄の食を支えている。



シーチキン シーチキン箱



《追記》シーチキンにゴキブリ混入

今朝(平成28年10月31日)、テレビ朝日の羽鳥モーニングショーを見ていたら、とんでもないニュースを放送していた。それは、シーチキンを開けたら、中からゴキブリが出てきたというショッキングなもの。内容は次のとおり。

山梨県内で販売されたシーチキンの缶詰に、虫が混入していた。メーカーの「はごろもフーズ」によると、「シーチキンLフレーク」に、体長約15ミリのゴキブリが入っていたと購入者から訴えがあり、同社は製造した静岡工場で混入した可能性が高いとして購入者に謝罪した、というもの。しかし、同社は「製造から1年10ヵ月経過しており、同様の訴えがないことなどから商品の製品回収などはしない」という。

ゴキブリが入っていたというなら、その旨を消費者に知らせ、即座に同じラインで製造した製品を回収すべきだろう。客から通報を受けたのが13日で、19日には購入者に謝罪したのに回収をしないどころか公表もしなかった。「はごろもフーズ」は、いつからこんな危機管理意識のない隠ぺい体質の会社になってしまったのか。同番組が消費者にアンケートを実施したところ、回収すべきが72%、回収しなくてもいいが28%だったそうだ。

このニュースを聞いて思い出したことがある。もう何年前だったろうか。参天製薬が、目薬に異物を混入したと脅迫されたことがあった。同社は、即座に記者発表をして市場に出ていた250万個の製品をすべて回収した。お客様の安全を確保するため、多額の損失を覚悟で全商品の回収を決断したのだ。それに比べ、食品を扱っている「はごろもフーズ」の危機管理能力のレベルの低さは目を覆いたくなる。「はごろもフーズ」は、目先の利益は失わなかったかもしれないが、最も大切な顧客からの信頼を失った。何事もお客様第一と考える経営姿勢こそが、お客様からの信頼を得られる近道だと思うのだが、今回の同社の対応には「誠実さ」が全く感じられない。

11/1《追記》「前科」が発覚した。今回のゴキブリ混入の事実が明るみになったことから、2年前の平成26年4月、東京・世田谷区のスーパーで「はごろもフーズ」の「シーチキンLフレーク」を購入し、自宅で開けたところ、体長7〜8ミリのハエが入っていたことも判明した。「はごろもフーズ」は、ハエに加熱された形跡があったとして、ツナ缶の製造過程で混入したと認めた。この件で日本テレビの取材に対し同社の広報は、「回答を控える」と言ったという。この缶詰は、先週、ゴキブリの混入が発覚したツナ缶と同じ、静岡市の工場で製造されていた(このニュースは、ミヤネ屋より)。

11/5《追記》 次々に明るみになる「はごろもフーズ」缶詰の異物混入不祥事。こんどは、岡山県倉敷市内のスーパーで販売されたフルーツの缶詰にクモとみられる虫1匹が混入していたことが、11月4日に分かった。混入した商品は「朝からフルーツみかん190g缶」。消費者「缶を開けたら虫が入っていた」との連絡を受けた同社が調査したところ、クモとみられる虫の混入を確認。製造工程の一つの加熱殺菌を経ていると推定され、この虫は製造室内に侵入、製品に混じったと判定した。 「はごろもフーズ」は「ほかの商品に混入した恐れはない」との理由で公表も回収もしていない。山陽新聞社の取材に対し、同社は「お客さまの個別案件であり、報道への回答は差し控えたい」と、またしても回答を拒否した(このニュースは、山陽新聞デジタルより)。こんな危機下にあって、マスコミの取材に対してノーコメントは、事を隠ぺいしようとしているとしか思えない。たまたま同じ日、「マルハニチロ」では、サンマのかば焼きに金属片が混入している恐れがあると、市場に出ている2,780万個を回収すると発表した(このニュースは、TBSNewsより)。回収するのは同じラインで製造したものだけでいいと思うのだが、公表も回収もしない「はごろもフーズ」の後だけに、爽やかな印象を受ける。

このぺージのタイトルは「恐るべしシーチキン」だが、「恐ろしいシーチキン」と改めたい!!。もともとは、こういうことを書くためのページではなかった。沖縄県民の食生活にシーチキンは不可欠なもので、沖縄県民はシーチキンをこよなく愛しており、お世話になった人に贈る定番商品だというお話だったのに、こんな話になってしまって残念でならない。



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