屋上の貯水タンクは要注意


沖縄では、アパート、マンションは言うに及ばず、一戸建ての屋上にも貯水タンクが設置されている。沖縄では20年くらい前までは慢性的に水が不足しており、断水や給水制限が頻繁にあったので、自衛手段として各建物に貯水タンクを設置していたのである。私も昭和50年代だと思ったが、観光で来て那覇のホテルに泊まったとき、「節水にご協力ください」と貼り紙がしてあり、バスタブの栓が外してあったことが2回あった。しかし、今では多くのダムが完成し、海水から飲料水をつくるプラントも平成9年(1997)年に完成したことにより、一年間、雨が降らなくても水の供給に心配はいらなくなったはずである。にもかかわらず、沖縄県民は昔からの習慣で「もしかしたら……」という気持ちから、今でも家を新築するときには設置する人もいる(最近は水不足の心配がなくなったことが浸透したようで、設置しない家も見かけるようになった)。

移住しても一戸建て希望の人は多いだろう。そこで、今回は中古一戸建ての家を探すときに気を付けたいことについてご紹介しょう(以下、「沖縄タイムスプラス」などを参考に作成)。

もし、貯水タンクがあったら定期的に清掃されているかどうかを確認しよう。10トン以下の貯水タンクは、清掃が義務付けされていない(水道法)。そのため、管理が悪いとタンクの内部は、藻、サビ、ヘドロ、雑菌が繁殖し、内壁はヌルヌルということもあるのだ。また、台風などでタンクのフタがずれたりすると、虫が入ったり、ボウフラがわいたり、鳥のフンが入ることもあるという。

沖縄県生活衛生課は年1回のタンク清掃を勧めている。10トン以下のタンクは県内に約23万5千基(2014年度)あるが、清掃が任意のため、どれだけのタンクの清掃が実施されているのかは分かっていないそうだ。19年前に調査した記録が残っており、それによると10トン以下のタンクで清掃を実施していたのは、0.3%(1000軒で3軒)だったとか。清掃業者の話では「設置してから一度も洗っていないというタンクもあり、管理の重要性が認識されていない」という。最近はステンレス製のタンクが多くなったが、配管が鉄製だとサビるので油断はできない。

中古一戸建て住宅のときは、次の点をチェックしよう!
 @ 蛇口から赤サビが出ていないか。
 A 貯水タンクを外から見て破損がないか。
 B ふたはきちんと閉まっているか。
 C 清掃の記録があれば、前回はいつ実施したか。

水は毎日使うものなので、日常的に管理することが大切である。また、アパートでもタンクが10トン以下だったら、ぜひ、上記の項目をチェックしよう。ただし、最近のアパートやマンションは、屋上タンクはなく、一旦、一階か地下にある貯水槽(受水槽)に水を貯めて、そこから直接 加圧ポンプで各部屋の水栓まで送るタイプが多くなってきている。このタイプは、停電した途端に断水する。

なお、沖縄の水道水について詳しくは、⇒ コチラから

しかし、屋上貯水タンクだといいこともある。外で運動をして家に帰ってシャワーを浴びるとき、ガスを点火しなくても、ちょうどイイ湯加減のお湯が出る。台所の洗い物も洗濯も自然エネルギーのお湯が使える。ガス代が相当に節約できる。



貯水タンク 貯水タンク
昔からある屋上貯水タンク、この家のタンクは新しい 最近はこんなタンクもある(朝日デジタルさんから拝借)


ただ、こんなことを言う人もいた。沖縄には大きな台風が頻繁にやって来る。すると各地で停電する。自分の家は停電しなくても、浄水場が停電したら水を送るポンプが動かなくなる。そんなとき、自宅にタンクがあれば水の心配はいらない。だから、水不足の断水はなくても、自宅にタンクは必需品なのだと…。そうか、なるほど、と納得してしまった。

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