沖縄県人は風呂に入らない?


新築のアパートを見に行ったら風呂場に浴槽がなかったことは、このサイトでも書いた(「アレッ〜風呂がない」は、⇒コチラから)。そのときは、沖縄は暑いのでシャワーで済ませるため浴槽がないと思っていたが、昔、シャワーなどなかった時代にはどうしていたのだろう、と気になって調べてみた。ネットで調べたが、日本で風呂場にシャワーが付けられたのは昭和30年代に入ってからということしか分からなかった。そこで、何故、沖縄県民は風呂に入らないのか、所属するサークルの年配の方々に聞いてみた。諸説紛々だった。

・高温多湿の沖縄では、もともと暑い湯に入る習慣はなく、水浴びが普通だった。
・暑い沖縄で、暑い風呂に入ったら余計に汗をかく。日ごろから汗をかいているので、風呂に入ってまで汗をかきたくない。サウナも必要ない。
・沖縄では昔から慢性的な水不足で、水は貴重な飲み物だった。その水をためて風呂に入るのは、もったいない。
・昔は家に洗濯などをする水場があり、そこで、たらいに沸かしたお湯を入れて、髪を洗ったり、掛け湯をしていた。
・体や髪は、川や井戸で洗っていた。
・戦後、街には銭湯があった。小さいころ親に連れられて行ったことがあるが、いつの間にか無くなっている。
《ご参考》銭湯---HP「ゆ〜ふるやに行こう」によると、県下に350軒あったお風呂屋さんは、現在、那覇市に4軒、沖縄市に2軒、うるま市に3軒、糸満市に2軒、西原町、中城村に各1軒の計13軒しかないそうだ。ただし、この情報は平成17年現在なので、今もあるかどうか・・・。
・沖縄には、もともと温泉はなく(今は、ユインチ、瀬長島、恩納村など、数箇所で温泉を掘り当てた)、湯治をする風習もなかった。
・最近、温泉施設(本当の温泉ではなく、本土で言うレジャー銭湯)は出来るが、沖縄県民は銭湯に行ったり、風呂に入る習慣がないので客が少なく、すぐ閉店してしまう。
・毎日、洗うのは体によくない。週に数回、シャワーで洗い流すだけで十分。
・中国は風呂に入る文化がない。沖縄は昔から中国文化の影響を受けている。
・首里城にだって風呂はない。高貴な方でも風呂に入らなかったのだから下々の民も入らない(その後、首里城に御内原:おうちばらが復元され、見学に行ったら、女官たちの浴場とされる「湯屋(ゆや)」があったので、この説は間違いだった)。
というご意見だった。HPで調べると、王朝時代には共同風呂があり、首里城の大奥にあたる御内原(おうちばら)の女官居室の隣には湯屋があったので、首里城内に勤める女官たちは風呂に入っていただろう。また、戦前までは那覇市に「湯屋の前(ユーワーヌメー)」という地名も残っていたそうだ。しかし、この風呂は、大和から渡来した和人が自分達のために造ったものだったらしい。

《追記》本土人には "風呂=浴槽" という感覚があるので、ここで言う「風呂に入る」は、「浴槽につかる」という意味で使っている。シャワーを浴びるだけなら風呂に入るとはいわない。「シャワーをする」とか「シャワーを浴びる」などという。ところが、沖縄の皆さんは、シャワーをすることも風呂に入るという。本当の意味で風呂に入る、つまり湯船につかることは、家に浴槽のある家でも年に数回が普通だとか。
なお、沖縄県のお風呂屋さん(銭湯)の数は、平成17年には13軒になったと前述したが、HP「銭湯・奥の細道」さんによれば平成21年には3軒となり、平成26年5月には那覇市のお風呂屋さんが廃業したので那覇市内からお風呂屋さんが消えたそうだ。その結果、県内で残っているのは、沖縄市と金武町の2軒のみとなった。沖縄市のお風呂屋さんは安慶田1丁目にある「中乃湯」という銭湯。また、金武町のお風呂屋さんは、金武町総合保健福祉センターという町営浴場。町営だが、町外・県外の人でもOK。ただし、同センターのHPを見ると町内の方の入浴料は300円だが、町外は600円。65歳以上は、町内200円、町外400円。サウナもあるにしては安いねぇ!。家探しで来県されたとき、お時間があったら、ぜひ、ひと風呂。なお、中乃湯について詳しくは ⇒ コチラから

◎風呂に関連するページ
・「アレッ〜、風呂がない」は、⇒ コチラから

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