腕輪をした人骨発見


先日、伊江島で、腕輪をした人骨が発見された。沖縄で腕輪をした人骨が出土したのは初めてなので注目されている。学生時代に日本史を専攻していたこともあり、古墳などの発掘のバイトをしていたので、こういうことには、大変興味がある。発見から1週間後、「沖縄人はどこから来たか?」の著者、琉大の土肥直美講師が琉球新報の文化欄で「沖縄骨語り---人類学が迫る沖縄人のルーツ」を書いておられた。大変興味深い内容なのでご紹介したい。

私は、以前、このサイトの「琉球人は原日本人?」(お読みになる方は、⇒コチラから)で、沖縄人のルーツは縄文人と勝手なことを書いたが、土肥講師は、「沖縄には3〜4万年前から住んでいた南方系の遺伝子を持つ旧石器時代人がいた。その後、沖縄各地に貝塚の痕跡を残した縄文文化は、九州など北から来た縄文人だとすると、南から来たと思われる旧石器人の子孫は、絶滅したのか、駆逐されたのか、それとも混血したのだろうか?。確たる証拠があるわけではないが、両者は共存して次第に混じりあい、沖縄の貝塚文化を作っていったと考えたい」(要旨)と述べておられる。


腕輪

なお、伊江島で出土した人骨は、ナガラ原第三貝塚で発見され、ゴホウラ貝製の腕輪をしており女性のものだという。石棺墓や人骨は、縄文時代後期から弥生時代中期(2,500〜2,000年前)のものとみられ、石棺の外には男性と思われる3体が埋葬されていたので、石棺墓に埋葬された女性は特別の存在ではないかと思われる。ゴホウラ貝の腕輪は直径8センチ。石棺墓は、長さ2mで幅約90cm、深さ約40cm。伊江村教委は今後、発掘された人骨についてDNA調査も含めた分析を行う予定という。(土肥講師のコラムとニュース、写真は琉球新報より)



《ご参考》沖縄県で出土した人骨
  ・港川人(1.8万年前)八重瀬町
  ・白保竿根田原洞穴人(2万年前)石垣島白保
  ・山下町第一洞穴人骨(3.2万年前)那覇市山下町
  ・サキタリ洞人骨(1.2万年前)南城市 など (wikipediaより)。

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