琉球人は原日本人?


神奈川県の総合研究大学院大学が行った遺伝子情報(ゲノム)解析の結果、「アイヌ民族と琉球人が近縁であるという」ということが実証されたそうだ。それを聞いて、フト思い出したことがある。それは、アイヌ民族と琉球人には、言語や顔付き、骨格などの身体的な共通性があり、ともに縄文人の血を引いている、ということを本で読んだことがあるのだ。高校生の頃なので、もう、50年近く前のことである。その当時、将来は歴史の研究者になろうと、教科書以外の歴史の本を、よく読んでいた。

そんな昔の話なので、間違って覚えているかもしれないが、まず、縄文時代に今の日本に住んでいた民族を「縄文人」と呼ぶ。そして、紀元前5世紀頃に、大陸から渡来した稲作をする民族を「弥生人」と呼ぶ。弥生人は、もともと日本に住んでいた縄文人を次々に制圧し、九州から本州へと進出した。このため、北に逃れた縄文人は、北海道のアイヌ民族となり、南に逃れた縄文人は、奄美大島から琉球へと島伝いに逃れ、琉球人となった。つまり、縄文人は、北と南に分断された。2000年以上も昔々の話である。

弥生人が、現在の日本人のルーツなのに対し、縄文人は、もともと日本に住んでいた先住民なので、「原(げん)日本人」という説である。その後、渡来説、小進化説など、新説が次々と発表され、この説は、あまり省みられなくなったが、今後、ゲノムの解析が進めば、縄文人=原日本人説が再評価されるかもしれない。すると、現在の日本人は原日本人の住んでいた島を侵略したと言うことになるのだが・・・。実際には、弥生人は侵略するだけでなく、縄文人との混血を繰り返したことが遺伝子解析の結果、判明している。つまり、現在の日本人は、縄文人と弥生人のハーフということになる。

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