冗談はホドホドに


こちらに来て、あるサークルに入れてもらった。そこには、関西出身のオバちゃんが一人いた。彼女は典型的な大阪のオバちゃんで、初対面のときから旧知の人と接するような話し方をされた。その後も話をしていると、明らかにフリが入るので、私も期待に応えて、ついボケてしまう。すると、ツッコミが入る。ツッコミが入れば、当然のことのように私はオチを入れるので、それで周囲が盛り上がる。このサークルでは、このノリでいいのかと早合点してしまった。

恥ずかしい話で恐縮だが、失敗をした。相手の方が関西人でもないのに、ついついボケてしまったのである。入会して数ヵ月後、親しくしてもらっていた年配の女性(沖縄の方)と隣り合わせでお話をしていた。そのとき、聞いたわけでもないのに、この方は「私、11年生まれなんですよ。あそこの男性も、その隣の女性も同級生さぁ〜」と言われた。もちろん、11年というのは、昭和11年ということは分かっていたので、ネタフリされたと思って、「大正ですか?」とボケてしまったのだ。関西人なら「ちゃうわ(違う)。明治に決まっとるやろぉ」となるのだが、シマッタと思ったときには遅かった。この方からは何のツッコミも返してもらえず、ムッとした顔をされたので、オチも言えなかった。このご婦人を相当、不愉快にさせてしまったようで、その後、しばらくは、口をきいてもらえなかった。

円滑なコミュニケーションをするには「ユーモア」も大切なのだが、まだ、冗談を言い合えるような信頼関係も築いてないのに、先走ってしまったことを反省している。今では話はしてもらえるようになったが、失礼なことを言った手前、私の方がついつい意識して構えてしまう。ホドホドにの「ホド」は「程」、つまり「程度」を越えてしまった恥ずかしいお話である。

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