「ゆっかぬひー」って、何ですか?


2024年6月9日は、旧暦の5月4日にあたる。沖縄では、旧暦5月4日は「ゆっかぬひー」と呼ばれている。

沖縄で暮らしていると、意味の分からない言葉を新聞や商店のポスターなどで見かける。先日もスーパーへ行ったら大きく「ゆっかぬひー」と書かれていたPOP広告が貼ってあった。その下に「チンビン」各種・店内特価と書いてあるだけで何の説明もない。沖縄の方は、これで何のことだか分かるのだろう。さらにその下に、「ぐんぐゎちぐにち」の文字が小さく書かれていて、そこには、「仏壇に"あまがし"を供えよう」とあった。

どういう意味なのか、すぐ誰かに聞けばいいのだが、忙しそうなスーパーのレジ係りさんに聞くこともためらわれたので、忘れないよう手帳にメモして自宅に帰ってネットで調べた。

「ゆっかぬひー」の意味は次のとおり。
言葉を分解すると
「ゆっか」…4日
「ぬ」…の
「ひー」…日
つまり「4日の日」という意味で、旧暦の5月4日のことをいうそうだ。この日、沖縄では各地でハーリー(注1)が行われる(ただし、2022年は新型コロナウィルス感染防止のため中止になった)。戦前の沖縄では、この日に子供の健康や成長を願ってオモチャを買ってあげる慣わしがあったそうだ。昔は子供たちにとって年に1回のおもちゃがもらえる楽しい「子供の日」でもあった。今年は、新暦の6月2日が、その日に当たる。この日、例年、糸満ではハーレーが行われ(糸満ハーレーも2022年は新型コロナウィルス感染防止のため中止)、各家庭では「ぽーぽー」や「チンビン」(注2)などを火の神や祖霊に供える。

次に「ぐんぐゎちぐにち」について、
「ぐんぐゎちぐにち」とは、5月5日のこと。旧暦5月5日に行われる健康祈願の行事のことで、豚肉料理や あまがし(注3)などを仏壇に供え、ノーブザキ(菖蒲酒、菖蒲の葉を入れた酒)を仏壇と火の神に供えるという。なるほど、こういう日は、スーパーや共同売店にとっては書き入れ時なのだ。「ぐんぐゎちぐにち」は「ゆっかぬひ−」の翌日なので、2022年は、新暦の6月22日である。

このページは「Weblio 辞書」などを参考に作成。なお、旧暦5月15日は、「ぐんぐゎちうまちー(注4)」といって、稲穂祭りで、家々の神、祖先の神拝みをする日だとか。どういうイントネーションで発音したらいいのか分からないが、仮名ばかりで9文字も並んでいると読みづらいねぇ。

意味は分かったが、どちらの日も移住者が沖縄で生活するには、あまり関係なさそうなので、すぐに忘れてしまいそうだ。

(注1)ハーリー…漢字で書くと爬竜。毎年旧暦の5月4日に沖縄県などの漁港で行われる爬竜船(はりゅうせん)競漕とその祭り。爬竜船(はりゅうせん)を漕ぎ競い合うことで航海の安全や豊漁を祈願する行事をいう。糸満や徳之島などでは、ハーレーではなく、ハーレーという。起源は諸説ある。2020年は新型コロナウィルス感染防止のため中止となった。

(注2)「ぽーぽー」、「チンビン」⇒ コチラから

(注3)あまがし…沖縄に伝わる伝統菓子。大麦と緑豆、黒砂糖を用いた粥状の食品であり、通常は冷した状態で供される。中国の八寶粥や緑豆湯とほぼ同じ食品であり、大陸あるいは台湾から伝わったと考えられる。以前は沖縄の家々で作られたが、現在は缶詰やレトルトパックで販売されている(Wikipediaより)。

(注4)うまちー…方言で御祭りのこと。旧暦の2月、3月、5月、6月の15日を前後に行われる。二月うまちーは麦の穂祭り、三月うまちーは麦の収穫祭、五月うまちーは稲や粟の穂祭り、六月うまちーは稲や粟の収穫祭となる(Weblio辞書より)。



◎関連するページは
・沖縄手帳 ⇒ コチラから
・うちかび(打ち紙)⇒ コチラから
・「清明(しーみー)」 ⇒ コチラから
・「ゆんぢち」 ⇒ コチラから
・沖縄のお盆⇒ コチラから


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