「だからよ〜」


沖縄の人との会話の中でよく聞く言葉に「だからよ〜」がある。文字だけ見ると「だから、○○なんだけれど・・・」と話が続きそうだが、沖縄では相手がこう言ったら、会話はコレで終わり!というニュアンスになる。アクセントが「だ」だったり、「か」だったり、また「ら」や「よ」に置かれ、微妙な抑揚の違いで、YesにもNoにも、ButやBecauseやSoにもなり、Oh, really? や What have you said? になることもある。私が思うに、争いごとを好まない沖縄県人は、答えをストレートにせずアイマイにして、人間関係を円滑にしているのかもしれない。それは私の感覚なので、違っているかもしれないが・・・。

男は「だからよ〜」「だからさ〜」、女性は「だからさ〜」「だからね〜」をよく使う。

《使用例》
Aさん「Bさん、結婚したんだって?」
Bさん「だからよ〜」

このBさんの「だからよ〜」の意味は、
1.そうだよ、という肯定。シャイなのでストレートにYesと言えない。
2.そうだよ、と肯定しているが、結婚したことには問題があるんだ。
3.しようと思っているけど、まだだよ。
4、したいんだけど、できないワケがあるんだよ。
5、してないよ、という否定。
6.何でそんなことを聞くのだというニュアンス。つまり「それがどうした。おおきなお世話だ」
7.ストレートに答えたくない。返事をぼかしたい。

ざっと、これだけの意味を微妙なアクセントの違いで表現している。同じアクセントでも二人の人間関係によって意味が異なることもある。その違いは、私にはまだ、理解するにはハードルが高いが、沖縄県人は、これで会話が成立する。日本語なのに直訳できない不思議な沖縄言葉である。

なお、上記の6.については、知り合いのMさんの家に行ったとき、こんな光景に出くわしたので加えた。Mさんの息子C君は大学1年生。自練(沖縄では、自動車学校のことを車校や自校ではなく、"自練" という)に通っていた。高校の卒業式の直後からから通っているが、旧盆を過ぎても、まだ仮免まで行ってない。つまり、運動神経に "難" があるようだ。本人もかなり気にしている。そんな状況を知らず、遊びに来た友人のD君が、「オイ、免許取れたか」と声をかけたとき、C君は大声で「だっからよォ〜」と返事をした。私はC君が免許が取れないことをMさんから聞いて知っていたので、この「だからよォ」の意味は、よく分かった。

NEW
《追記》沖縄のテレビ番組で、視聴者が面白い話を投稿するコーナーがある。そのなかで「だからよ〜」が出てきたのでご紹介しよう。

就職の面接で「あなたの自慢できることは?」と聞かれて、「大体のことは、『だからよ〜』で乗り切れる」と答えたら採用された。

この話、ホンマでっか?

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