沖縄県人のシメはステーキ?


ステーキハウス


実は、このページは1年半ほど前に作成したが、時まさに新型コロナ禍の真っ最中で、web upを見合わせていた。何時まで経ってもコロナが終息しないので、見切り発車して掲載することにした。

本土でお酒のシメはといえば、たいていはラーメンだ(私がそう思っているだけかもしれないが…)。ところが、沖縄では「お酒のシメはステーキだ」というご意見がある。上の写真は、沖縄から全国へ展開中の「やっぱりステーキ」の店内に掲げられている看板である。10番目に「お酒の締めに食べるべし:笑」と書かれている。沖縄でのお酒のシメがホントにステーキなのか調べてみた。

沖縄は、昔からステーキ王国といわれている。那覇市(31万人)と比べ人口が2倍の鹿児島市(60万人)にはステーキハウスが7店しかないのに、那覇市には93店もある。人口が5倍の福岡市(157万人)でも71店だから、那覇市の多さが際立っている(店舗数は2019年調べ)。

最近は本土でも「いきなりステーキ」など大衆的なステーキの店が登場し、ステーキハウス = 高いというイメージはなくなりつつあるが、私が沖縄に移住する前に仲間と沖縄観光に来たとき、夕食は那覇市内のステーキハウスへよく行った。その訳は、「沖縄へ行ったらステーキを食わねば…」と皆が皆、思っていたからである。そのときの店の名前は忘れたが、目の前でステーキを焼いてくれて、時折、ナイフを指でクルクルと回したり、ソルトミルやペッパーミルを背中から放り上げてキャッチするパフォーマンスも見せてくれた。それでいて価格の安さには驚いたものだった。それは、復帰後の特別措置で、輸入肉の関税が低く抑えられていたからだった。現在、沖縄でも関税は本土並みになったが、輸入肉の価格は、いまだに安さを保っている。

沖縄ではシメステーキが本当なのか、私の所属するスポーツサークルの人たちに、沖縄そばの店で昼食を食べながら聞いてみた(一人で複数回答している人あり)。私の所属サークルの皆さんは、私がこのサイトを書いていることを知っているので、積極的に協力してくれる。時折、微妙なことを聞くと、その話題には触れないほうがイイとアドバイスもしてくれる。
では、ランダムにご紹介すると
1.飲んだ後、深夜まで営業しているのは、ステーキハウスしかないからねぇ。
2.シメのラーメンもいいけれど、沖縄にはソバ屋は多いけれどラーメン屋は少ないんだよ。
3.あれはテレビの影響(ケンミンSHOW)で、シメは決してステーキだけではない。テレビは大げさだからねぇ〜。
4.沖縄に来たらステーキというのはテレビの影響で、観光客が「シメステーキ」を流行らせたんじゃないかな。確かにうちなーんちゅ(沖縄県人)はステーキをよく食べるけれど、シメで食べることはないよ。ケンミンSHOWでもやっていたが、ガレッジセール(ケンミンSHOWに出演している沖縄出身の漫才師)も番組の台本通りに合わせてシメはステーキだと声をあげていたが「そんな習慣はないと思う」と、本当のことを言ってほしかったなぁ。そんなことを言ったら仕事がなくなるかもしれないけれど(笑)。
5.何千円もするなら食べないよ。値段が安いから食事として食べる。
6.ステーキはシメではない。腹が減ったときの昼食か夕食だ。お酒のシメはスナックでカラオケだよ。そこでも飲むけれど…。
7.私にはシメステーキの習慣はない。私の回りにも、そういう人はいないんじゃないかなぁ。深夜にステーキ食ったら胃もたれするよ。
8.松山で飲んだときは行くこともあるけれど、他の地区では近くにステーキハウスがないので行くことはないねぇ。
9.あんなところにシメで行ったら、次の朝、ニンニク臭くて会社に行けないよ〜。
10.シメステーキは沖縄の常識ではないと思うよ。

以上、なかには肯定派もいるが、否定派の方が断然、多いようだ。皆さんのご意見は、シメステーキの発端は、テレビのケンミンSHOWだと言っている。あの番組で「沖縄ではシーチキンを贈答に使う」というのは本当( ⇒ コチラからどうぞ)だったが、あの番組は誇張も多く、強引にこじつけるからね。

《ご参考》やっぱりステーキについて
本土から沖縄に進出する店舗(企業)は多い。私が沖縄に来てからでも、「セブンイレブン」「パルコ」「ロフト」「松屋」「一蘭」「吉本興業」「プリンスホテル(建築中)」「琉球名城リゾート」「星のリゾートバンタカフェ」「東京ディズニーホテル(2024〜予定)」「コメダ」「ヒルトンホテル」「変なホテル」などなど、両手では数えられない。
そんな中にあって、「やっぱりステーキ」は、沖縄発祥で本土に進出している稀有な店である。2015年に那覇市若狭にわずか6席で開業したのだが、たったの6年で北は北海道まで64店舗にまで拡大した。上の写真は、那覇市松山の「やっぱりステーキ」の店内に張られている。200グラム1000円から食べられるので、沖縄県民から観光客にまで人気があり、店によっては昼食時や夜には行列ができる。今はコロナ禍で、客足は減っている様だが、本土進出の勢いはとどまることを知らない。
私の知り合いで、年に1回は沖縄にやって来る本土の知り合いがいる。来ると必ず「やっぱりステーキ」に行っていたのだが、最近は「やっぱり…」に行こうとは言わなくなった。理由は、自分の家の近くに「やっぱり…」が開店したからだとか。去年と今年はコロナ禍で来なかったが…。



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背景の「読谷山花織」は、「ゆたんざはなうぃ」または、「よみたんざんはなおり」と読みます。琉球王朝のための御用布として織られていました。絶滅寸前だったものを、昭和39年に読谷村で「幻の花織」として復活しました。