国頭村を観光するときは、野犬に注意


野犬

     写真はyahoo newsからお借りした

移住の視察に来たついでに、観光される方もおられるだろう。もし、国頭(くにがみ)方面に行かれるときは、人を襲う野犬にご注意いただきたい。観光客がよく訪れる本島最北端の辺戸岬(へどみさき)でも、野犬が出没しているという。

平成29年6月3日の沖縄タイムスによれば、国頭村で野犬が数十匹群れをなして集落周辺を徘徊しており、集落では飼い犬がかみ殺されたり、住民や観光客が襲われそうになったりする被害のほか、やんばるにのみ生息するヤンバルクイナなどの希少生物が捕食される事例が報告されているというのだ。

専門家は、背景に犬の不法投棄が増えたことを挙げている。


主な被害・事件の内容は、
・国頭村楚洲(そす)集落では、母親と幼児が散歩中に5匹の野犬に取り囲まれ、父親が車に避難させた。
・辺土名(へんとな)地域では国頭村森林散策路(クロスカントリーコース)を仲間とジョギングしていた人が犬に襲われ転倒し、腕に傷を負った。200メートルほど離れていた野犬4匹に一気に追い付かれ、仲間が棒で振り払い難を逃れた。
・天然記念物のヤンバルクイナやケナガネズミなどの希少動物が野犬に襲われる被害も出ている。ヤンバルクイナの生息密度が高かった楚洲の県道70号の一部区間で今年、クイナの確認はゼロ。発見されたクイナの死骸の多くから犬のDNAを検出している。
・養豚業者が豚の死骸の不法投棄している。野犬が豚の死骸をくわえて歩いているのも目撃されている。国頭村の住民は「野犬が繁殖するのは餌場があるから。まずは餌場を断たなければ」と強調する。
・5月15日には、辺戸岬(へどみさき)を訪れた観光客の女性が野犬に追い掛けられ、祖国復帰闘争碑前で助けを求める「事件」があった。本土復帰45年の取材活動をしていたテレビカメラマンが女性を助けた。しかし、その後も野犬は観光客を追ってきたので、カメラマンは再び犬を追い返した。ここは、観光客がよく訪れる場所である。

《追記》沖縄県が平成28年度に国頭村、大宜味村、東村のやんばる三村の森林地帯にセンサーカメラを設置し調査したところ、少なくとも野生化した犬が62匹いることが分かった。その中には出産直後の子犬も複数いることが分かったという。その発表には「ノイヌ」という表現が使われていた。あまり聞きなれない言葉なので調べてみたら、「ノイヌ」は「野良犬」とは違うのだそうだ。HP「Barking Dog」さんが、鳥獣保護法を所管する環境省へ確認したら、山野で自生(自立・野生化)している「犬」や「猫」のことを「ノイヌ」「ノネコ」と定義し、「野良犬」「野良猫」は、人間、或いは人間社会に依存して生きている「犬」や「猫」として、「ノイヌ」や「ノネコ」と区別しているとのこと。つまり、逃げた飼い犬が野山を歩けば「ノイヌ」と見なされ、人里付近を歩けば「野良犬」と見なされる。何か変だな。

琉球新報によれば、今年の秋には世界自然遺産登録を見据え、国際自然保護連合(IUCN)の現地視察が予定されており、ノイヌが希少動物を襲う問題は、県が目指す世界自然遺産登録の足かせになりそうだと危惧している。まして、人を襲うノイヌがいる所が登録されるかなぁ?


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