街を歩いていると、よく見かけますが、コレ何?




街歩きをしたり、史跡歩きをしていると、街路樹や公園の木の枝などに小さな板がつけられているのをよく目にする。この小さな板は何だと思われるだろう?。私も、ずい分前から、これは、一体何だろうと思っていたが、やっと正体が分かった。私と同じ本土からの移住者で、沖縄在住20年という方が教えてくれた。皆さんも沖縄に下見に来たとき、あるいは観光できた時でも、きっと目にすることがあるだろう。

これは「テックス板」といって、オスのミカンコミバエの成虫を強力に誘引する化学物質メチルオイゲノールとダイアジノンという殺虫剤をしみこませたものなのである。メチルオイゲノールの匂いに誘われてやってきたミカンコミバエのオスが、この板を舐めることで死んでしまう。オスが死んでしまうことによって、ミカンコミバエの雌がいても交尾できず繁殖できないという訳である。

ミカンコミバエは柑橘類をはじめ、マンゴー、マンゴスチン、パパイヤ、トマトなど、ありとあらゆる果物や果菜類に寄生し、作物に被害を与える大害虫で、この害虫の蔓延を防ぐため、長い間、沖縄から県外へ果物や根菜類を出荷できなかった。昭和61年に沖縄県からの根絶が確認されたが、現在でもフィリピンや台湾など近隣の諸国には生息しており、沖縄への侵入と再発生の危険性があることから、誘殺板を設置して常に再発防止に努めているのだ。

なお、この板は、正式には誘殺板(ゆうさつばん)という。設置は手作業で行うが、西表島や与那国島など、人による設置が難しいところでは、テックス板の空中散布を行っているそうだ。どうして「テックス板」というのか辞書で調べると、「テックス」とは、パルプかす、木材くず、植物繊維などを圧縮して作った板という意味なので、そこからきているようだ。

そのほかにも、ゴーヤや冬ウリ・スイカなどのウリ科によくつく虫で、ウリミバエという特殊害虫がいた。これもミカンコミバエと同じようにその地域にいる場合は出荷ができなくなるが、テックス板だけでは根絶できなかったため、コバルト60という放射線を当てて不妊化したウリミバエ(不妊虫)を大量に放って、野生虫同士で交尾できないようにしたそうだ。その効果があって、ウリミバエは平成5年に沖縄全域から根絶できた。

実は、私はそれより前から沖縄に来ていたが、ゴーヤを持ち帰ろうと思っても島外に持ち出すことができなかった。持ち出せなかったのは、そういう理由だったのだ。そのため、群星(むるぶし)という種類のゴーヤの種を送ってもらって、自分の家の庭で栽培していた。無農薬の有機栽培で、毎年、30センチ超のゴーヤが大豊作だった。

沖縄県病害虫防除技術センターのHP、Wikipediaを参考に作成。 写真は、那覇市の牧志北公園で撮影したもの。


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