「せんべろ」って何?


今、那覇市の牧志(まきし)界隈では「せんべろ」がブームになっている。「せんべろ」という言葉を、よく知らなかったので調べてみると、平成15年、作家の中島らも氏と編集者の小堀純氏が、共著の著書『せんべろ探偵が行く』で使い始めたのが最初だそうだ(Wikipedia)。13年も前の話だが、今や、全国各地に「せんべろ」の居酒屋があるようだ。

意味は、1,000円でベロベロに酔える店のことをいう。ところが、ネットで検索すると、いきなり沖縄の店が出てくる。最初にヒットするのが、「牧志公設市場付近にある “大衆酒場 足立屋" でせんべろしてきました。ビール3杯とおつまみ付きでポッキリ1,000円!」。次がWikipediaの 「せんべろ」の用語解説で、3番目が「那覇市安里駅前せんべろ酒場全色本店」。4番目は、また「那覇市牧志公設市場近くのせんべろ的お店アキバのうりぼう」と続く。「せんべろ」は、沖縄だけにあるのではないだろうが、何故か沖縄の店ばかりがヒットする。

私、その「せんべろ」のある店に行ってきた。国際通り近くの牧志平和通りにある大衆酒場「天しーさー」である。店頭の赤いノボリには「せんべろやってます」の文字が白く抜かれている。この店は昨年(平成27年)12月に出来たばかりで、串揚げ10種と酒3杯、または、おでん5種と酒3杯で1,000円である。

店内はテーブルと立って飲むカウンターがあり、店の外にもテーブルが置いてある。飲み物は、泡盛、焼酎、ビール、日本酒、ホッピー、梅酒、コーラ、お茶各種などから選択できる。私は「せんべろ」の串揚げ10本コースをオーダーした。串揚げのネタは、つくね、いんげん、れんこん、玉ねぎ、鶏、なす、ウインナー、ゴーヤーで、あと1本はハツ(心臓)みたいだった。下の写真は2回目に行ったときの串揚げを撮影したものなので、最初に行ったときとはメニューが違う。ドリンクは、シーサーのマスコット(下の写真:右)をくれて、追加するとき、これと飲み物を交換する。これ以外にも肉系と魚系の1本100円の串揚げ。ちゃんぷるー各種、じゃがバター、フライドポテト、しめじバターなどの単品料理もある。だいたい1品300〜500円なので、「せんべろ」に料理を2品追加しても2,000円あればいい。

下のチラシは、営業時間が12:00〜となっているが、店主に聞いたら平日は午後5時から、土日は午後3時からになったそうだ。閉店の午後10時は変更なし。私が、本当に1,000円でベロベロになったかどうかは、ご想像におまかせ…。 (*^^*)



天しーさー 串揚げセット シーサーのマスコット


なお、専用駐車場はない。店内は完全禁煙である。下の写真、左は「天しーさー」のチラシ、右の4枚は、ほかの「せんべろ」店のネット画像をお借りした。



天しーさーのチラシ せんべろメニュー せんべろメニュー
せんべろ看板 せんべろメニュー


NEW《追記》 「せんべろ」その後…
「せんべろ」をこのサイトでご紹介したのが、平成28年の6月、それから5ヵ月経った頃には、国際通り ・松尾周辺に「せんべろ」の店が、いつの間にか10軒に増え、この地区は「せんべろ酒場」の激戦区となっていた。

ところが、平成30年11月現在の最新情報によると、「食べログ」のお店情報にせんべろを登録した店舗は、沖縄県下で136店に膨れ上がっていた。調べた見たら、せんべろ専門店ではないのだが、メニューにおつまみとお酒をセットにして「せんべろやってます」の看板をあげた既存の居酒屋、ギョーザ屋、食堂、焼鳥屋、焼肉屋、串カツ店などが急増したのだ。
《ご注意》ニワカせんべろの店の中には、せんべろは月〜木のみとか、一人一回のみという制約をつけるところアリ。つまり、せんべろ専門店のように、せんべろを繰り返し頼むことができない店もある。

沖縄でせんべろブームの火付け役となった店「足立屋」のマネージャの話では、地元民に加え、最近は観光客も訪れるという。地元民の中には、開店時間前から並ぶ「朝からせんべろ」ファンもいるという。さすがお酒に強い人の多い沖縄だなぁ。大阪・通天閣周辺の串カツ屋みたいだ。15年くらい前に大阪・新世界に行ったときの話だが、朝の10時頃に行ったら、100人は入れそうな大きな店なのに、グループで行ったら並んで座る席がないくらい大盛況だった。

ところが、沖縄の「せんべろ」は、にぎやかさの裏に、いろいろ問題も発生しているらしい。狭い路地の両側に酒場が立ち並び、立ち飲み客が溢れて道をふさぐので通行人が通れない。特に若い女の娘(こ)は、怖いので遠回りをしなければならない。また、酔客が発する大声による騒音。加えて「せんべろ酒場」の中には自前のトイレを持っていない店もあり、所かまわず用を足す人が大きな問題となっているという。

対策として、那覇市ではトイレを提供してくれる店舗の開拓に力を入れており、公設市場2階のトイレの使用時間を午前0時まで延長したほか、水洗トイレを提供してくれる店舗には、大便器が月額6千円、小便器は4千円の「謝礼金」を支払う。また、周辺にある24時間営業の大型店舗にも協力を呼び掛けている。そして、界隈の「トイレマップ」を作成して12月から配布を予定している。しかし、トイレもない居酒屋店に営業許可を出すのも問題があるような気もするなぁ。私が口出しするようなことではありませんが…。 (--、)

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