沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
平成28年12月14日付け、琉球新報1面 |
防衛省によると、平成28年12月13日午後9時半ごろ、沖縄県名護市東海岸から約1キロの沖合で、米軍MV-22オスプレイ1機が「不時着水」した。5人が搭乗していたが、全員が救助されたが、2人が負傷していると発表した。
上の写真は、翌日の新聞だが、翌々日の新聞は、見開きで写真を何枚も掲載していた。見ると浅瀬に真っ二つに折れた機体や翼がバラバラに分離し大破していた。米軍や日本政府は、不時着水と表現したが、沖縄県や在沖新聞2紙、また米軍準機関紙「星条旗」は「墜落(クラッシュ)」と表現している。「墜落」と「不時着水」では印象が大きく変わる。「不時着水」の方が与える印象が柔らかく、インパクトも小さい。
「墜落」なのか「不時着水」なのか、私は航空機の専門家ではないので判断できないため、それぞれの立場による見解の相違をまとめてみた。
◎ 「不時着水」を主張
・ 陸地を避け、パイロットの意思で浅瀬に降りたのだから不時着水である。
・ コントロールを失った状態ではないので不時着である。
◎ 「墜落」を主張
・ 機体が大破して散乱しているのだから墜落である。
・ プロペラが前を向いて落ちているのだから飛行モードで落ちた。だから墜落である(パイロットの意思で降りたのなら、オスプレイのプロペラはヘリモードの上向きになる)。
では、専門家の「不時着」と「墜落」の意味の違い
「墜落」は、パイロットの意思に反して落ちること。「不時着」は、航空機に何らかのトラブルが発生し、パイロットの意思で着陸、着水すること とある。
今回、米軍の発表では、空中給油中にホースが破損し、折れたホースがオスプレイのプロペラを損傷したと発表した。それが本当なら、パイロットの意思に反して落ちたのは明白だ。
なお、米海軍安全センターは、今回の事故について航空機事故の規模を分類する4段階の評価のうち、最も重大な「クラスA」に分類し、機体は大破したと評価していることが15日分かった。[クラスA]は、損害額200万ドル(2億4,000万円)以上の事故。今回の事故の損害額は8,060万ドル(96億7,200万円)と発表されている。
今回の事故について、沖縄の安慶田副知事が北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧を訪れて、直接抗議したとき、在沖米軍のトップであるローレンス・ニコルソン四軍調整官は謝罪することもなく「住宅や県民に被害を与えなかったのだから感謝されるべきだ」と述べた。安慶田氏が「オスプレイも訓練もいらないから、どうぞ撤去してください」と伝えると、調整官は「沖縄県は政治問題化するつもりか」などと、テーブルを叩きながら、顔色を変えて怒気を示したそうだ(以上、Wikipedia、琉球新報、朝日デジタル、NNNnews、Rumble、BuzzFeed Japanなどを参照)。沖縄の本土復帰から44年。米国は、いつまで沖縄を自国の植民地だと思っているのだろうか。
《ご参考》
オスプレイは平成24年秋から米軍普天間飛行場に順次配備され、現在、24機まで増えた。事故機は、そのうちの1機。日本はオスプレイを1機100億円超で購入し、自衛隊機として使用する予定という。防衛省は、今、佐賀空港へのオスプレイ配備計画を巡り、佐賀県と交渉を続けている。配備予定の17機は、すべて事故機と同型機という(佐賀新聞)。また、事故の起こった当日夜、別のオスプレイが普天間飛行場に胴体着陸している。原因は前輪が出なかったため。在沖米軍が詳しい原因を調べている(琉球新報)。
さらに、嘉手納基地で12月19日、米海軍のP8A哨戒機がけん引中に前輪と機体を損傷する事故を起こしていたことが分かった。米海軍安全センターはこの事故についても、事故の4段階の分類のうち、最も重大な「A級」に当たるとの評価を公表している。沖縄で米軍機による重大事故が相次いでいる。
《追記》後日談だが、オスプレイの事故直後の米軍から航空自衛隊に出した第一報は「オスプレイが墜落した可能性がある」という内容だったことが分かった。その後、「墜落」を「浅瀬に着水」、「不時着水」に改めた。1月27日、沖縄防衛局が新聞社の取材に対して回答した(琉球新報)。
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