沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
沖縄の農産物といえば、真っ先にあげられるのが、砂糖の原料であるサトウキビである。沖縄の全農家の8割が従事し、耕地面積の7割、農業産出額の2割を占める沖縄の基幹作物でもある。
収穫量は平成元年には180万トンあったが、従事者の高齢化や過疎化、収益性の高い農作物への転換、農地の宅地化や担い手不足などの影響で、収穫量は急速に減少しており、平成23年は50万トン程度にまで落ち込んだ(平成27年度速報値では、5年ぶりに70万トン台を回復)。特に沖縄本島での生産減少が顕著で、製糖工場の数も昭和40年代には、本島に6つの工場があったが、平成に入って合併、吸収を繰り返し、平成25年、最後に残った うるま市の球陽製糖と豊見城市の翔南製糖の2社が、ともに採算が取れなくなったことで合併し、本島の製糖工場は1か所になってしまった。
更に言うなら、沖縄県内のサトウキビ農家(以下、「キビ農家」という。)の約8割が工作面積が1ヘクタール未満である。サトウキビは3.300平方メートルで必要経費を引いた年収が約40万円 (国の交付金を含む)であるという。耕地面積が1ヘクタール(1万平方メートル)の畑なら年収が120万円となる。120万円/年では、とても生活はできない。しかし、沖縄のキビ農家の80パーセントは1ヘクタール未満である。ということは、キビ農家の80パーセントは年収120万円以下という厳しい状況なのである。
加えて、もし、日本がTPPに参加すれば、安価なオーストラリア産砂糖の輸入が自由化される。オーストラリアの砂糖の価格は、国内産の3分の1程度である。そんな砂糖と競争しても勝負にならない。このため、TPPは沖縄のサトウキビ産業を壊滅させるといわれている。しかし、識者は言う。「日本がTPPに参加する、しないは、何ら影響はない。何故なら、参加してもしなくても、沖縄のサトウキビ産業は、やがて絶滅する運命にあるのだから」と…キビしいご意見もある。
(以上、「農林水産政策研究 沖縄県におけるさとうきび作と製糖業の現状と課題」、HP「沿革 翔南製糖株式会社」、HP「沖縄県におけるさとうきびの生産状況について 農畜産業振興機構 」、HP「TPP参加による重要5品目のそれぞれの影響」などを参考に作成)。下のサトウキビ畑の写真は、沖縄県糖業振興協会からお借りした。
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