こんな移住者は嫌われる


「こんな移住者は嫌われる」という、たいへん残念なお話である。
私の所属するスポーツのサークルに、本土からの男性移住者が入会した。1ヶ月もしないうちに、既会員の中からその男性に対する批難の声が高まり、ついに出入り禁止となってしまった。” 顛末(てんまつ)”をご紹介する。なお、本人が特定されないよう、スポーツ名など具体的な表現は避けている。

一緒にプレイさせてほしいと参加してきた初日、自己紹介で、「私は○○県のスポーツ協会の要職に就いていた。このスポーツを30年以上している。国体には○回出場した・・・」から始まり、延々と自慢話が続いた。初対面でこんなことを言うなんて、変わった人だなぁと思ったら、初日から、いきなりメンバーに指導を始めた。その後も、練習日には休むことなく参加してきたが、コーチでもないのに、全体練習の最中に個人的な指導を長々と始める。それも競技エリア内でするので、そのたびに練習が中断してしまう。

そのうち、一部の既会員に上から目線でモノを言うようになり、不快に思う人が増えていった。また、練習試合中にも定石(普通は「じょうせき」と言うのだが、何故か、彼はこれを「ていせき」と言っていた)を持ち出し、それと異なるプレイをすると「違う、違う、違う」と言って競技エリア内で指導を始める。私もこのスポーツは、50年前からやっているので、セオリーは理解しているつもりだが、セオリー一辺倒の助言をすることはない。あまりにも目に余るので「それは、あなたの意見であって、人によってプレイのスタイルは異なるのだから、押し付けるのは止めなさい」と強く言い渡した。その日の夜、サークルのリーダーは会員に電話を架けて聞いたところ、彼とは一緒にプレイしたくないという意見ばかりだった。このため、リーダーは本人に、「あなたはお上手なので、うちの会員にはレベルが高すぎる・・・」と婉曲にお断りをしたそうだ。さすが、年の功。

彼は、何故、こういう結果になったのかは理解してないかもしれない。現役時代に上級管理職や役員だったとか、団体の長をしていたという人の中には、引退後も、それを引きずる人がいる。彼の行動から察するにプライドが高く、人より優位に立ち続けたいという意識が人一倍強かったようだ。こういう性格は、いつまでたっても直らないだろうから、他のサークルに行っても同じことを繰り返すだろう。人と うまく付き合えない人は、どこに行っても嫌われる。そのうち誰にも相手をしてもらえなくなるかもしれない。結論を申し上げると、外から来た人が、もともといる人たちと、うまくやっていけるかどうかは、いかに信頼関係が築けるかどうかである。移住して、こちらの人と、うまくやっていけるか心配されている方も多いだろうが、"それはあなた次第" なのだ。

そんな彼に一言。このサイトのアクセス解析を見ると、本土からの移住に興味を持っている人とともに、すでに沖縄に住んでいる人も多くご覧になっておられ、沖縄県からこのサイトへのアクセス数は、東京、大坂に次いでベスト3に入っている。彼が、このサイトを見たとしたら、読めば自分のことだと分かるだろうから、同じ移住者として老婆心ながら申し上げる。

・・・あなたは、たいへん真面目な方ですね。指導にも熱心です。しかし、度が過ぎると、聞く方は鬱陶しいのです。ある年配の方に対してゲーム中に「前へ、もっと前へ」と叫んだり、「そのプレイは、定石に反していますよ」とか言いましたが、その方は、あなたより経験年数の多い方で、自分のプレイの型を持っているのです。沖縄の方は、温厚な方が多いのですが、そんな方でも怒りましたよ。それ以降、その人は、あなたと口も利こうとしなかったのに気が付きませんでしたか?。あなたが誰かれかまわず、教えようとしたのは、自分の方が技術が上だと思っていたからでしょうが、それは思い込みですよ。あなたが誰から見ても指導者としてふさわしいレベルなら、素直に指導に従うでしょう。あなたは、「このサークルの人は、誰も自分の言うことを聞いてくれない」と、独りごちたそうですね。あまりにも出すぎたことをしたのです。うちのリーダーは、”あなたのレベルは… ” と上手に断りましたが、サークルの皆さんは、あなたには、もう来て欲しくないと言ったのです。

《追記》 その後、この方は同じ市内の他のサークルに移ったそうだが、しばらくすると、そのサークルの方から相談があった。「どうやって、お引取りいただきました?」

関連ページ 「なぜ、沖縄移住は失敗するのか?」は ⇒ コチラから

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