沖縄でカキの養殖始めましたぁ〜


沖縄でカキの養殖が始まっていると聞いたとき、にわかには信じられなかった。なぜなら沖縄は海水温が高いからだ。カキは、よく火を通さずに食べるとあたることがある。海水温が高すぎれば雑菌が繁殖しやすい。私も以前、仲間10人ほどで広島に旅行したとき、係留した小舟の料亭でカキのフルコースを食べた。一人を除いて全員、激しい食中毒に見舞われた。聞けば広島のカキは、生食用かき採取海域で養殖しており、殺菌処理を行うとカキ本来の味が失われるので、そういう処理をしないのだという。生食することを想定した処理を行っていないので、我々は生ガキを食べてあたってしまったようだ。だから水温の高い沖縄では、雑菌が繁殖しやすいので、ハナからカキの養殖など出来るはずがないと思っていた。

ところが、うるま市石川漁協がカキの養殖に名乗りを上げた。本島中部の東海岸にある金武湾(きんわん)には、ポルトガルガキ(注)というカキが自生しているそうだ。その幼生を試験的に育成して収穫したところ、1年で6.5センチまで成長した。収穫したカキに殺菌処理し試食したところ、事業化できることが確認されたというのだ。確かに沖縄で自生しているカキなら温度のことを気にする必要がない。沖縄は、海はきれいで入り江も多く、養殖する場所には事欠かない。

本格的な養殖事業は、すでに平成30年8月から始まっており、来年(2019)6月には、8センチまで成長したカキが収穫できる予定だそうなので、生カキで食べてみたいものだ。

また、この話とは別に沖縄水産高校でも純沖縄産のカキの養殖に取り組んでおり、久米島でも海洋深層水を使ってカキの陸上養殖に取り組んいるという。まだまだ実験段階のようだが、沖縄がカキの一大産地になる日がやってくる日があるかもしれない。

(注)ポルトガルガキ…名称にポルトガルと付いているが、実際は東アジア原産のカキ。何らかの形で東アジアからヨーロッパに移植され、定着した種であると判断されている(沖縄における牡蠣の発見と活用「生物工学 第95巻 第11号(2017)」)



養殖カキ 試食会


このページを書いた後、テレビで沖縄産カキの試食会が行われたことがニュース(上の写真)になっていた。このニュースの中では、来年6月頃にはおよそ1万個から1万5000個の牡蠣の収穫を見込んでいると紹介されていた。写真は琉球放送TVニュースより。



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背景の「首里織」は、首里王府の城下町として栄えた首里において王府の貴族、士族用に作られていたもので、悠々として麗美な織物が織り継がれ、現在に至っています。この作品は、米須幸代さんの「グーシー花織」です。