エエッ、グルクンが時価だって?


グルクン

海の中にいるときは青色だが、陸揚げすると赤くなるグルクン(泊いゆまちHPよりお借りした)



グルクンといえば沖縄の県魚(昭和47年5月15日、沖縄の本土復帰の日に指定された)であり、牧志の公設市場で初めて見たときは、熱帯魚かと思うほど赤色をしていた。そのとき、グルクンは沖縄の大衆魚で、安価なのに味がイイ。美味しい食べ方は刺身や唐揚げにする。また、沖縄かまぼこの原料にもなるという説明を聞いたのだが、今や、大衆魚ではなく高級魚の仲間入りをしており、漁協の卸し売り価格は真鯛を上回ることもあるという。

かまぼこの原料だったのは今は昔の話で、平成23(2011)年には年間、139トンもあった漁獲量が昨年、同30(2018)年には、わずか3トンしか獲れなかった希少品である。刺身で食べられる国産のグルクンは高級料亭でしか食べられないそうだ。居酒屋やスーパーで見かけるのは、輸入品や県外産だとか。輸入のほとんどがベトナム産で、一部フィリピン産も入荷する。

漁獲量の激減の理由は、温暖化で日本で漁獲できるのが沖縄だけでなく、長崎まで広がってしまったことや、グルクンの生息しているのが地形の複雑なサンゴ礁なので、漁法には追い込み漁が適しているのだが、20キロの酸素ボンベを担いで潜るという重労働に従事する潜水夫が高齢化したうえ、潜水病で体を悪くすることから、後継者がいなくなってしまったのだそうだ。

なお、他県で穫れたグルクンの稚魚は、カツオ漁のエサになるという。もったいないなぁ(以上、琉球新報に掲載された東京新聞の記事より)。


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背景の「首里織」は、首里王府の城下町として栄えた首里において王府の貴族、士族用に作られていたもので、悠々として麗美な織物が織り継がれ、現在に至っています。この作品は、米須幸代さんの「グーシー花織」です。