沖 縄 移 住 生 活 始 め ま し た
那覇市前島にある豚肉専門のレストラン(我那覇食肉店のHPより)
沖縄の食文化の代表的なものと言えば、豚肉料理である。アグー豚のようなA級グルメからノンブランドのB級、そしてホルモンのC級グルメまで、バラエティに富んでいる。といっても、昔から沖縄で豚肉を食べる習慣があったわけではない。HP「沖縄の伝統的な食文化の保存・普及・継承について」によれば、 沖縄で豚料理が盛んになったのは、琉球王朝時代、中国からの冊封使(注1)を接待するため、彼らが日頃食べていた豚を大量に飼育するようになってからだそうだ。沖縄の豚肉文化は、中国の役人を饗応するところからから始まったのである。
ところで、沖縄で豚といえば食肉の「我那覇グループ」が、県内ではその名を知られている。店の扱っている商品の中では「豚ホルモン」の種類が多いのに驚く。今回は、少々、マニアックだが沖縄で食べられているホルモンを中心に豚肉グルメをご紹介したい。
◎豚ホルモンの種類(我那覇グループのメニューから)。なかには内臓系でない部位も含まれているような気がするが、あまり、そのあたりは深く追求しないように…。
はつ(心臓)、ひも(小腸)、レバー(肝臓)、しろ(大腸)、どーなつ(のどもと)、はつもと(大動脈)、まめ(腎臓)、がつ(いぶくろ)、ちれ(脾臓)、こぶくろ(子宮)、たん(舌)、はらみ(横隔膜)、しろころ(丸腸)、しきん(食道)、のどぶえ(声帯)、こめかみ(頬肉)、なんこつ(気管)、かしら(頭肉)、てっぽう(直腸)、テール(尾)、がつ芯(胃袋)、あみはつ(心臓を腸を包んでいる脂で巻いたもの)、あみれば(レバーを腸を包んでいる脂で巻いたもの)、ぶれんず(脳みそ)、てびち(脛)、とんとろ(頬から肩の首にかけての肉)、おっぱい(乳房)、のどがしら(喉元)、リップ(下唇)、中身(なかみ)汁 内臓をボイルしたスープなどなど。
もちろん豚料理はホルモンだけではない。内臓以外の沖縄の豚料理の ほんの一部をご紹介すると、
ラフティー 豚の三枚肉を皮付きのままで煮込んだ。
スーチーカー 三枚肉を塩漬け
チラガー 顔の表皮をボイル
豚足(とんそく) 豚のスネを煮込んだテビチ、足先(ひずめ)を煮込んだチマグーがある。どちらも豚足という。
チーイリチャー 豚の血を使った炒め煮
ミミガー 豚の耳を茹でるか蒸して千切りにする。 酢の物にしたり、ポン酢、酢味噌で食べる。
チムシンジ 「チム」は豚レバー、「シンジ」とは煎じ汁のこと。 貧血や風邪をひいたときなどの薬として食べる。
トンファン 漢字で書くと「豚飯」豚汁で炊いたご飯にかつおだしをかけて食べる。
イナムドウチ 豚肉が入った白味噌仕立てのお味噌汁。昔はイノシシの肉を使った。お祝いの料理。
ミヌダル 豚肉に黒ゴマを擦りつぶしたタレを付けて蒸す。
来沖のときは、ぜひ一度はご賞味を。
以上、部位などはネットで検索して調べたが、地域によって名称が異なる場合があるので、ご容赦を(一部、トリップアドバイザー提供)
(注1)冊封使(さくほうし、さっぽうし)…中国王朝のころ、従属する近隣の国王に対し王として任命するために派遣した使節のこと。琉球国は、明国や清国の冊封下に置かれていた。
(ご参考)ホルモン…語源は、大阪弁の「捨てるものを意味する『放るもん』」説や、医学用語であるドイツ語のHormon(ホルモン)、英語のhormoneは、動物体内の組織や器官の活動を調節する生理的物質の総称からなど諸説ある(Wikipediaより)。
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背景の「首里織」は、首里王府の城下町として栄えた首里において王府の貴族、士族用に作られていたもので、悠々として麗美な織物が織り継がれ、現在に至っています。この作品は、米須幸代さんの「グーシー花織」です。