行ってよかった沖縄の城


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《追記》首里城が5位にランクイン
特別番組「お城好き1万人がガチで投票! お城総選挙」(テレビ朝日系)は、日本にある4000ものお城・城跡の中で、お城のプロ・お城ファンが選んだ「日本の城ベスト30」を発表した。1位になったのは圧倒的多数の票を集めた姫路城だったが、沖縄県で唯一ベスト10に首里城がランクインした(今帰仁城は22位)。



首里城
第5位にランクイン・平成30年11月に外壁の塗り直しを終えた首里城(平成31年2月撮影)


旅行の口コミサイト「トリップアドバイザー」により、毎年、「行ってよかった日本の城ランキング」が発表される。これによると、平成25年から3年連続で熊本城が第1位だったが、熊本地震による観光客低下が災いしてランキングを落とし、同28年、29年は、2年続けて姫路城が第1位になった。

さて、このランキングの同29年のベストテンに、沖縄県の城が3つも入ったのでご紹介しょう。
 第7位 勝連城(前年11位)
 第8位 今帰仁城(〃13位)
 第10位 中城城(〃10位)

勝連城は平成26年の17位から、12位、そして11位と着実に順位を上げ、同29年には7位と大躍進した。この城は石積みの城壁しか残っていないが、優美な曲線は他の城にはない特徴であり、郭が階段状に積み上がり、一番上の郭は、標高100メートルもある。 平成12年にはユネスコの世界遺産に登録されたほか、平成28年に城内からローマ帝国とオスマン帝国時代のコインが発見されたことにより、近年、急に話題になった城でもある。旅行者の口コミで選ぶサイトのランキング発表だけに、評価には信ぴょう性が高いだろう。なお、首里城は、この調査では14位にランクされていた。

ところで、さきほどから「城」という表現をしているが、実は、沖縄では「城」は「グスク」と呼ばれており、当て字で「城」と表示されているだけで、周囲を石垣で囲っているところ以外は、本土の城とはかなり異なる。決定的な違いは、本土の城は戦いのための防衛拠点だったのだが、沖縄の城には聖域があり、御嶽(うたき:祈りの場所)だったりイベ(霊石)が置かれ、城壁はこれらを護るために拡大していったと考えられている。グスクとは、沖縄の言葉で「グ(石)」「スク(囲った場所or聖域)」・・・つまり、石で出来た建造物や拝所のことを言うのである。

沖縄のグスクも、石垣に囲まれた要塞は、戦いの防衛という側面もあるのだが、当初は聖域だったということが大きな違いである。ただし、沖縄のグスクと呼ばれる遺構には、さまざまな形があり、小高い丘にある拝所や森の中にある風葬地帯にもグスクと呼ばれる場所があり、「スク」の語源を朝鮮語の村・集落に求め、それに敬語の御(グ)をつけたのがグスクの意味であるという説もある。

《ご参考》Wikipediaによると、沖縄本島北部の一部では石垣を用いない「土のグスク」もある。また古いグスクには必ず、その中に御嶽があることが確認できる。奄美群島でもグスクが残っているが、奄美群島では未調査のものが多く、大半が確認出来ていないという。



勝連城 今帰仁城
H29「日本の城ランキング」で7位に入った勝連城 同8位の今帰仁(なきじん)城


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背景の「読谷山花織」は、「ゆたんざはなうぃ」または、「よみたんざんはなおり」と読みます。琉球王朝のための御用布として織られていました。絶滅寸前だったものを、昭和39年に読谷村で「幻の花織」として復活しました。