沖縄は避暑地?



紫外線

沖縄は気温は高くなくても、日差しは「半端ない!」


今年(平成30年)、本土では各地で40℃越えという驚くほど暑い日が何日も続いた。7月23日には埼玉県の熊谷市では41.1℃という観測史上の最高温度を記録し、青梅市でも40.8℃で、東京都内で初めて40℃を越えたというニュースもあった。まだ7月だというのに、15日からの1週間で熱中症で搬送された人は2万5千人を数え、亡くなった方は65人と過去最高だった。テレビでは、この異常気象は災害だと報道していた。

それに比べ沖縄本島では、今年になって32℃を超えた日が6日あるだけで、33℃を超えた日は1日もない(7月23日現在)。私が沖縄に来た8年間で、35℃を超えたのは1回だけである。なぜ沖縄の気温が高くならないのか、詳しい理由は分からないが、沖縄は周りが海なので、熱が海に分散するとか、海風があるので熱がこもらない、などということも聞いたことがある。ということで、本土の灼熱に比べれれば、沖縄は過ごしやすいと思ったのか、ラジオのトーク番組で「今年の夏休みは、沖縄へ避暑に行こう」と話していたのを2回も聞いた。もちろん冗談なのだろうが、沖縄は、決して避暑には向かない。

沖縄が一般に暑いといわれているのは、温度だけの問題ではない。何よりも日差しの強さである。沖縄は本土の2〜5倍の紫外線量だとネット情報にあった。太陽が照りつける日に数時間、海で泳ぐだけで皮膚は火傷状態になる。その強さは「半端ない!」。だから沖縄の人々は昼間、海で泳がない。どうしても泳ぐときは、Tシャツやラッシュガードを着用する。また、夏に沖縄に来られた方は、空港から一歩、建物の外に出たときに感じるモワ、モワッツとしたムシムシ感を体験されただろう。沖縄は湿度が高いのである。我が家の話で恐縮だが、クローゼットに入れてしまっておいた家内の皮製のハンドバックがカビの斑点ができた。下駄箱の黒の革靴が、ひと夏、履かなかったら灰色のカビ柄になった。トースト用のパンを買って冷蔵庫に入れなかったら翌々日の朝にはカビていたなどなど…。気温は上がらなくても、雨が降らなくても、湿度は、朝、起きたときから70%を超えている(注1)。今、朝の8時15分、私の部屋の湿度は78%もある。

決定的に沖縄が避暑に向かない理由が熱帯夜である。熱帯夜というのは、最低温度が25℃を下回らなかった日をいう。夜でも25℃以上あるので、エアコンなしでは、とても眠れない。こんな日が沖縄では一年間に100日以上もある。昨年の平成29年は特に多く、那覇市では116日、宮古島で131日、石垣島では、なんと144日もあった。石垣島や波照間島では、平成29年は、立冬を過ぎた11月8日でも熱帯夜を記録した。

気象庁では過去30年間のデータから平年値を出しており、1981年から2010年のデータによる平年値を比較すると、年間熱帯夜日数の全国平均は17.9日だった。都道府県別にみると、
1位 沖縄県   99.0日
2位 鹿児島県   51.6日
3位 兵庫県   43.1日
4位 大阪府   37.4日
5位 長崎県   35.8日

という結果で、沖縄は全国平均の5.6倍。平成22年以降は、毎年100日を超えている(HP「time-j.net 」)。この表にはないが、東京は27.8日で10位に入っている。その訳は、上の表中の兵庫、大阪と同じく、緯度は低くても、ヒートアイランド現象の影響と思われる。

沖縄は最高気温が35℃以上の猛暑日は少ないものの(全国46位)、熱帯夜日数は全国一で、寝苦しい夜が4ヶ月近く、またはそれ以上ずっ〜〜と続く。やっぱり、沖縄は暑い。いや熱い。どっち だったっけ? >_<  どっちにしても、沖縄は避暑地ではない。

(注1)沖縄のカビについて、詳しくは ⇒ コチラから

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背景の「読谷山花織」は、「ゆたんざはなうぃ」または、「よみたんざんはなおり」と読みます。琉球王朝のための御用布として織られていました。絶滅寸前だったものを、昭和39年に読谷村で「幻の花織」として復活しました。