「つちんちゅ(土人)」トートを制作


米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する沖縄県民に対し、大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した。ところが「土人」という言葉を知らない沖縄の高校生は、これを「つちんちゅ」と読んだ。何故なら、沖縄では漁師とか海で仕事をする人のことを「海人」といい、読み方は「うみんちゅ」なので、これに倣(なら)ったものだ。

この意味のズレをビジュアル化しようと、沖縄大学の小野啓子教授と学生らが「土人」発言をデザイン化した「つちんちゅ」トートバッグを制作した。トートのデザインは、「土人!」の吹き出しに対し「何それ? つちんちゅ?」との返答を配し、「土人」が本来持つ差別性が伝わっていないジェネレーションギャップを表現したもの。小野教授は、戦前からの「土人」の言葉の認識として「文明化されておらず、野蛮で知性が低いとの意味が込められている。沖縄の若い世代は、沖縄県民が南洋やハワイでも差別されてきた歴史を知らず、差別されているとの意識もない。高校生の反応には無邪気なユーモアが感じられデザインに取り入れた」と制作意図を説明した。

一方「土人」発言を巡っては鶴保庸介沖縄担当相が「差別と断じることはできない」などと差別性を認めない発言を繰り返している。同教授は「高校生は無知のイノセント(無罪)だが、鶴保大臣は認識を持ちながら発言しているので、イノセントではない。見る人によってさまざまな意味になり得て、図らずも複雑なデザインになってしまった」と話す。写真が小さくて見づらいが、黒色のハエのように飛んでいるのは、米海兵隊輸送機MV22オスプレイで、赤い丸は県章をハスに構えてデザインしたものという。吹き出しの右に「土人?」。左は、「何それ? つちんちゅ?」との返答を配している。



トートバッグ


「土人」トートは、年内に制作予定で、問い合わせは、tsuchinchu.tote@gmail.com まで(以上、琉球新報を参考に作成)。
大阪府警機動隊員の「土人」発言は10月18日のこと。本土では既に忘れられたニュースかもしれないが、沖縄では1ヵ月経った今も、鶴保大臣の発言が沖縄県民の怒りを一層大きくさせたこともあり、連日、新聞報道されている。11月20日付けの琉球新報のサンディ版にもトップ記事で子供向けに詳しく掲載しているほか、同紙には「機動隊差別発言を問う」としてシリーズ化され、著名人のコメントを数多く掲載している。
そんな中、今回の「つちんちゅ」トートは、「海人」を「うみんちゅ」と読むことをご存じない方には、何がユーモアなのかご理解いただけないかもしれないが、沖縄県民には神経を和ませてくれるものがある。このページの文章構成は自前だが、新聞記事を参考にして作成し、このサイトでも取り上げさせていただいた。写真も琉球新報Webからお借りして加工した。
なお、大阪府警機動隊員の「土人」発言は、⇒ コチラから

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