沖縄の赤ちゃんは忙しい


赤ちゃん米

沖縄では赤ちゃんが生まれると元気に育つよう、さまざまな行事や儀式を行う。それも、一歳になるまでは毎月とは言わないが、何かしら、しなければならないことがたくさんある。本土と共通するものもあるが、沖縄独自の行事も多い。赤ちゃんのいるご両親は、これらの行事を忘れないようにしなければならないので大変だ。そんな親の事情を知らない赤ちゃんは言われるままに忙しい日々を送る。

◎生まれた日には「かーうりー」といって、汲んできた「うぶみじ(産水)」を指につけ、赤ちゃんの額を3回なでる。これを「うびなでぃ」という。残りの「うぶみじ」は産湯に使う。また、椀に盛った「うばぎーめー(白飯)」を「ひぬかん(火の神)」、仏壇に供えて誕生の報告と成長の祈願する。

◎誕生の翌日から7日目までの間には、「なーじき(名付け)」をする。命名の儀式となーじ占いをする。「ひぬかん」と「とーとーめー(ご位牌)」に報告する。

◎誕生した日から4〜7日目までの間には、「まるさんゆーえー(満散祝い)」といって、誕生の儀式が終わったことを家族でお祝いする。「まるさん」とは仏教用語で儀式の終了の意味。最近は、「30日まるさん」も多くなった。また、この間に、産室からジール(地炉)をかたづけてヒジャイナー(左縄)を取り外す「じーるしんち(地炉退き)」をする。

◎生後1ヶ月ごろには「ぼーじなでぃ(坊主撫で)」をする。これは、誕生から3度目の庚の日に赤ちゃんの両耳のそばの髪の毛を切る。また、同じころ行う「はちあっちぃー(初歩き)」は、赤ちゃんの初めての外出のことで、歩くことではない。外出前に「ひぬかん」に御願する。外出先は母親に実家で、親戚やご近所さんが集まり、ご祝儀を赤ちゃんの懐にしのばせる。

◎生後3ヶ月〜4ヶ月に「百日祝い」として、赤ちゃんの記念写真を撮る。写真館の折り込みチラシをよく見る。

◎生後9か月と9日目の「くくぬかん」は、離乳食を始めるための儀式で、茹でたタコの足をしゃぶらせる風習もあるとか。

◎初め迎える「むーちー」(旧暦12月8日)に鬼餅を「ひぬかん」や仏壇に供える。平成31年の「むーちー」は、新暦の1月13日である。
「むーちー」については、詳しくは ⇒ コチラから

◎満一歳の誕生日のことを「たんかーゆーえー」といって、「ひぬかん」「とーとーめー」に健康長寿を祈願し、将来占いを行う。その日は、親戚を招いて盛大にお祝い会を開く。占いは、子供の前にそろばん、赤飯、本、お金、墨、硯、筆などを並べ、最初に手にしたもので将来占いをする。そろばんを取ったら計算上手になる。お金ならお金持ちになるというもの。この一連の行事を「たんかーゆーえー」という。

以上、沖縄で赤ちゃんが生まれてから一年以内に行われる行事・儀式をご紹介した。沖縄は子だくさんの家庭が多い。これだけ行事が多いと、赤ちゃんだけでなく、お父さん・お母さんもたいへん忙しい。

今回の出典は主に「子育てタウンページ」を参考に作成しました。


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